不動産の取得・保有に係る税金
不動産取得税(相続は非課税)・登録免許税・印紙税と、固定資産税(1.4%・住宅用地6分の1)・都市計画税を説明できるようになります。
ねらい
不動産を「買ったとき」と「持っている間」の税金を学びます。このレッスンを終えると、取得時の3つの税金(不動産取得税・登録免許税・印紙税)と、保有中の2つの税金(固定資産税・都市計画税)の骨組みを説明できるようになります。
ストーリー
中古住宅の購入を決めた藤田さんは、資金計画表に「諸費用」として見慣れない税金が並んでいることに気づきました。契約書には収入印紙、登記には登録免許税、購入後しばらくすると不動産取得税の納税通知書。そして毎年春には固定資産税。いつ・誰に・何を納めるのか、時間の順に整理しましょう。
取得時の税金
不動産取得税
不動産を取得したときに、都道府県が課す税金です。
- 課税されるのは、売買・贈与・交換・新築・増改築による取得です。相続による取得には課されません。「贈与は課税・相続は非課税」という対比が最頻出です。
- 課税標準は固定資産税評価額です(実際の購入価格ではありません)。
- 税率は原則4%ですが、土地と住宅には3%の特例税率が適用されています(適用期限のある特例です)。
- 一定の要件を満たす新築住宅では、課税標準から1戸あたり1,200万円が控除されるなどの軽減があります。
登録免許税
所有権移転登記や抵当権設定登記など、登記を受けるときに国に納める税金です。
注意
相続による所有権移転登記にも課されます(不動産取得税と扱いが異なる点に注意します)。
消費税
不動産の譲渡にも消費税が関係します。土地の譲渡には消費税がかかりませんが、建物の譲渡は消費税の課税対象です。ただし課税されるのは、不動産会社などの事業者が売主となる場合に限られます。中古住宅を個人が個人に売る取引には事業性がないため、消費税はかかりません。
印紙税
不動産の売買契約書などの課税文書を作成したときに、収入印紙を貼って消印することで納める国税です。印紙を貼らなかった場合や消印をしなかった場合には過怠税が課されますが、契約書そのものの効力は失われません。「印紙がなくても契約は有効」が定番の論点です。
保有中の税金
固定資産税
毎年1月1日現在の土地・建物などの所有者に対して、市町村が課す税金です。
- 課税標準は固定資産税評価額、**標準税率は1.4%**です。
- 住宅用地には課税標準の特例があります。1戸あたり200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)は固定資産税評価額の6分の1、200平方メートルを超える部分は3分の1に減額されます。
- 一定の新築住宅には、床面積のうち120平方メートルまでの部分について、当初の期間(3年間または5年間)、税額が2分の1に減額される特例もあります。
ポイント
年の途中で売買しても、その年の納税義務者は1月1日時点の所有者です(実務では売買代金の中で日割り精算するのが慣行です)。
都市計画税
市街化区域内に土地・建物を持つ人に、固定資産税とあわせて市町村が課す税金です。税率は0.3%を上限(制限税率)とし、住宅用地には課税標準を3分の1(小規模住宅用地)または3分の2に減額する特例があります。
取得から保有までの整理
| 税金 | 課税するのは | いつ | 覚えるポイント |
|---|---|---|---|
| 不動産取得税 | 都道府県 | 取得時 | 相続は非課税・贈与は課税 |
| 登録免許税 | 国 | 登記時 | 相続登記にも課される |
| 印紙税 | 国 | 契約書作成時 | 貼り忘れでも契約は有効 |
| 固定資産税 | 市町村 | 保有中(毎年) | 1月1日の所有者・1.4%・住宅用地6分の1 |
| 都市計画税 | 市町村 | 保有中(毎年) | 市街化区域内・上限0.3% |
例題
次の記述が適切か、不適切かを考えてみましょう。
相続により不動産を取得した場合には、不動産取得税は課されない。
答え合わせ
適切です。不動産取得税は売買・贈与・新築などによる取得に課され、相続による取得は非課税です。ただし、同じ相続でも登録免許税(相続登記)は課されるため、税金ごとに扱いが異なる点を区別しましょう。
応用
固定資産税の特例を使ってみましょう。
藤田さんが購入した住宅の敷地は180平方メートル(固定資産税評価額1,800万円)である。固定資産税の課税標準はいくらになるか。
答え合わせ
300万円です。敷地全体が1戸あたり200平方メートル以下の小規模住宅用地にあたるため、課税標準は固定資産税評価額の6分の1(1,800万円÷6)になります。この課税標準に標準税率1.4%を掛けたものが税額の目安です。200平方メートルを超える部分は3分の1という2段階もあわせて覚えましょう。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 賃貸不動産のローン元本返済と必要経費に関する正誤判定解く
- 消費税が課される不動産の貸付けの選択解く
- 相続税路線価の公示価格に対する水準の選択解く
- 不動産登記の公信力に関する正誤判定解く
- 長期譲渡所得となる所有期間の選択解く