預貯金・金融類似商品等
単利と複利の計算、固定金利と変動金利の使い分け、主な預貯金と信託商品・金投資の特徴を理解し、安全資産の置き場所を選べるようになります。
ねらい
資産運用の土台になる預貯金と、その周辺の商品を学びます。このレッスンを終えると、単利と複利の計算ができるようになり、固定金利と変動金利の使い分け、主な預貯金の商品性、信託商品や金投資といった金融類似商品の特徴を判断できるようになります。
ストーリー
ボーナスの使いみちを考えている佐野さんは、当面使う予定のない100万円を預けようとしています。銀行のウェブサイトには、スーパー定期・大口定期・仕組預金と、似た名前の商品が並びます。「利率のほかに、何を見て選べばいいのか。単利と複利では、どれくらい違うのか」。安全資産の置き場所選びにも、押さえるべき仕組みがあります。
このレッスンで扱う商品は、預貯金・信託商品・金融類似商品の3つに大きく分けて整理できます。
利率と利回り、単利と複利
利率(金利)は元本に対する1年あたりの利息の割合をいい、利回りは投資額に対する収益全体の割合を年あたりに直したものをいいます。
利息の付き方には、単利と複利があります。単利は、当初の元本にだけ利息が付く方式です。複利は、支払われた利息を元本に組み入れ、利息にも利息が付く方式です。元利合計は次の式で求めます。
単利の元利合計 = 元本 ×(1 + 年利率 × 年数)
複利(1年複利)の元利合計 = 元本 ×(1 + 年利率)の年数乗
計算例で確かめます。100万円を年利2%で2年間預けた場合、単利では100万円×(1+0.02×2)で104万円です。1年複利では100万円×1.02×1.02で104万400円となり、利息に付いた利息の分だけ複利が多くなります。半年複利の場合は、年利率の半分(1%)を半年ごとに複利で付けるため、さらにわずかに多くなります。同じ利率なら、複利の回数が多いほど、また期間が長いほど、複利の効果は大きくなります。
ポイント
同じ利率でも、複利は利息にも利息が付くため単利より有利になります。複利の回数が多いほど、また期間が長いほど、単利との差は広がります。スーパー定期(預入期間3年以上の個人契約)で半年複利を選べる点とあわせて、2級で問われます。
固定金利と変動金利
預入時の金利が満期まで変わらないものを固定金利、市場金利に応じて見直されるものを変動金利といいます。選び方の軸は、今後の金利の見通しです。金利の上昇が見込まれる局面では、低い金利で長く固定してしまわないよう、変動金利型や短期の固定金利型が有利になりやすいと整理できます。反対に、金利の低下が見込まれる局面では、高いうちの金利を長期の固定金利型で確保することが有利になりやすいといえます。
主な預貯金
| 商品 | 特徴 |
|---|---|
| 普通預金 | 出し入れ自由。口座振替などの決済に使える |
| 貯蓄預金 | 残高が基準額以上なら普通預金より金利が高いことが多い。給与の受取りや口座振替などの決済には使えない |
| スーパー定期 | 固定金利の代表的な定期預金。預入期間3年以上の個人契約は半年複利を選べる |
| 大口定期預金 | 1,000万円以上から預け入れる固定金利(単利)の定期預金 |
| 期日指定定期預金 | 1年の据置期間の後は、期日を指定していつでも解約できる |
| 仕組預金 | デリバティブを組み込み金利を高めた預金。満期を金融機関が決める型などがあり、原則として中途解約できない |
ゆうちょ銀行の貯金には預入限度額があり、通常貯金で1,300万円、定期性貯金で1,300万円、あわせて最高2,600万円までです。
注意
仕組預金は「預金」という名前でも、原則として中途解約ができず、解約できても元本を割ることがあります。金利の高さは、満期の決定権を金融機関に渡すことなどの対価です。名前の安心感で選ばず、制約とセットで判断しましょう。
信託商品と金融類似商品
信託は、財産を信託銀行などに預けて管理・運用を任せる仕組みです。代表的な金銭信託のほか、遺言代用信託や教育資金の贈与に使う信託など、目的に応じた商品があります。
金融類似商品には、次のものがあります。
- 純金積立: 毎月一定額ずつ金を買い付ける商品です。定額購入により平均購入単価をおさえるドル・コスト平均法の効果が働きます。金そのものは利息を生まず、価格変動リスクと為替の影響を受けます。
- 不動産小口化商品: 不動産への持分投資を小口で行う商品です。
- 抵当証券などその他の商品: 商品ごとに仕組みとリスクが大きく異なるため、裏付けとなる資産と換金性を確かめて判断します。
例題
次の空欄にあてはまる金額を計算してみましょう。
100万円を年利2%(1年複利)で2年間預け入れた場合の元利合計は( )である。税金は考慮しない。
答え合わせ
104万400円です。1年複利では、1年目の利息を元本に組み入れて2年目の利息を計算します。1年目の元利合計は100万円×1.02で102万円、2年目は102万円×1.02で104万400円です。単利で計算した104万円との差の400円が、1年目の利息2万円に付いた2年目の利息(2万円×2%)にあたります。単利と複利の差は、期間が長くなるほど大きくなります。
応用
もう一問、金利タイプの選び方を考えてみましょう。
今後、市場金利の上昇が続くと見込んでいるAさんが、当面使う予定のない資金を定期預金に預ける場合、長期の固定金利型と短期の固定金利型のどちらが有利になりやすいか。
答え合わせ
短期の固定金利型が有利になりやすいといえます。金利の上昇局面で長期の固定金利型に預けると、預けた時点の低い金利が満期まで続き、その後の金利上昇の恩恵を受けられません。短期の固定金利型なら、満期のたびに、上昇したその時点の金利で預け直せます。反対に、金利の低下が見込まれる局面では、高いうちの金利を長く確保できる長期の固定金利型が有利になりやすいと整理できます。金利の見通しと預入期間を対応させることが、選び方の軸です。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 保有株式の値下がりに備えるオプション取引の選択解く
- オプションの買い手の損失の限定の判定解く
- 外貨預金の預入時に適用される為替レートの選択解く
- 外貨建MMFと預金保険制度の関係の判定解く
- 変額保険の死亡保険金の最低保証の判定解く