ローンとカード
クレジットカードの支払方式と管理上の注意、キャッシュレス決済の分類、貸金業法の総量規制を理解し、個人の借入れを適切に判断できるようになります。
ねらい
クレジットカードと個人向けローン、そして新しい決済手段の仕組みを学びます。このレッスンを終えると、カードの支払方式ごとの手数料の有無と、キャッシュレス決済の前払い・即時払い・後払いの分類が整理でき、貸金業法の総量規制など借りすぎを防ぐルールを判断できるようになります。
ストーリー
社会人2年目の村上さんは、買い物のほとんどをクレジットカードとスマートフォンの決済アプリで済ませています。ある月、明細を見て驚きました。リボ払いに設定していた買い物の残高が思ったより減っておらず、手数料が毎月かかっていたのです。「支払い方で何がどう違うのか、ちゃんと分かって使わないと危ない」。カードとローンの仕組みは、家計を守る基礎知識です。
クレジットカードの仕組み
クレジットカードは、カード会社が代金を立て替え、後日まとめて利用者に請求する後払いの決済手段です。利用者・カード会社・加盟店の三者の契約で成り立ち、利用者はカード会社の会員規約に従って利用します。カードの所有権はカード会社にあり、本人以外への貸与や譲渡は禁止されています。
支払方式と手数料
支払方式によって、手数料がかかるものとかからないものがあります。
| 支払方式 | 仕組み | 手数料 |
|---|---|---|
| 一括払い | 翌月などにまとめて支払う | かからない |
| 2回払い | 2回に分けて支払う | 原則かからない |
| ボーナス一括払い | ボーナス時期にまとめて支払う | かからない |
| 分割払い(3回以上) | 回数を決めて分けて支払う | かかる |
| リボルビング払い | 利用件数や金額にかかわらず、毎月の支払額を一定額にする | 未払残高に対してかかる |
注意
リボルビング払いは、毎月の支払額が一定で家計管理が楽に見える一方、利用を重ねると未払いの残高がふくらみ、手数料の負担が続きます。毎月の支払額の中で手数料の占める割合が増え、残高がなかなか減らないことが、間違えやすい点です。残高と手数料を明細で確かめる習慣が大切です。
カードの管理
カードを受け取ったら署名欄に自筆で署名し、暗証番号は生年月日などの推測されやすい番号を避けます。紛失・盗難に気づいたら、すぐにカード会社と警察へ届け出ます。届出をすれば、原則として届出前の一定期間(多くの会員規約で60日)までさかのぼり、不正利用による損害が補償されます。ただし、暗証番号の管理に重大な落ち度がある場合などは補償されないことがあります。
キャッシュレス決済の分類
キャッシュレス決済は、支払いのタイミングで3つに分類できます。
- 前払い(プリペイド): 事前にチャージした残高から支払います。電子マネーやプリペイドカードがあたります。
- 即時払い(リアルタイムペイ): 支払いと同時に銀行口座から引き落とされます。デビットカードがあたります。
- 後払い(ポストペイ): 後日まとめて請求されます。クレジットカードや、後払い式のスマートフォン決済があたります。
スマートフォンのQRコード決済は、チャージ式なら前払い、銀行口座直結なら即時払い、クレジットカード紐付けなら後払いと、設定によって性質が変わります。名前ではなく、お金がいつ動くかで分類することが判断の軸です。
消費者向けローンと貸しすぎ・借りすぎを防ぐルール
無担保ローンの種類
個人向けの無担保ローンには、銀行や消費者金融会社のカードローン(極度額の範囲で繰り返し借りられる)、使いみちを決めて借りる目的別ローン、使いみち自由のフリーローンなどがあります。担保がない分、住宅ローンなどの有担保ローンより金利は高くなります。
総量規制
貸金業法には、借りすぎを防ぐ「総量規制」があります。貸金業者(消費者金融会社・信販会社など)からの無担保の借入残高の合計が年収の3分の1を超える場合、貸金業者は原則として新たな貸付けができません。
総量規制の対象になるのは、貸金業者からの借入れです。クレジットカードのキャッシングは対象になりますが、ショッピング(物品の購入代金の立替え)は割賦販売法の世界であり対象外です。また、銀行のローンは銀行法にもとづくため、貸金業法の総量規制の対象外です。住宅ローンや自動車ローンのような担保・目的のある貸付けは、除外の扱いになります。
ポイント
総量規制は「貸金業者からの無担保借入れの合計が年収の3分の1まで」。カードのショッピング利用と銀行ローンは対象外という線引きまで含めて、2級では正確に問われます。
金利の上限
貸付けの金利には、利息制限法による上限があります。上限を超える部分の利息の約定は無効です。
| 元本の額 | 上限金利(年) |
|---|---|
| 10万円未満 | 20% |
| 10万円以上100万円未満 | 18% |
| 100万円以上 | 15% |
信用情報
カードやローンの契約・返済の記録は、指定信用情報機関に登録され、貸金業者やカード会社が審査の際に照会します。延滞などの事故情報が登録されると、新たな借入れやカードの作成が難しくなります。
例題
次の記述が適切か、不適切かを考えてみましょう。
貸金業法の総量規制により、個人が貸金業者から無担保で借り入れられる金額の合計は、原則として年収の2分の1以内に制限される。
答え合わせ
不適切です。総量規制の基準は年収の2分の1ではなく、年収の3分の1です。貸金業者からの無担保借入残高の合計が年収の3分の1を超える場合、貸金業者は原則として新たな貸付けができません。数字の取り違えを狙った出題が多いので、「3分の1」を正確に覚えましょう。
応用
もう一問、決済手段の分類を考えてみましょう。
Aさんは、買い物の支払いに、銀行口座から支払いと同時に代金が引き落とされるカードを使っている。このカードは、前払い・即時払い・後払いのどれに分類され、何と呼ばれるか。
答え合わせ
即時払いに分類される、デビットカードです。キャッシュレス決済は、お金がいつ動くかで分類します。事前にチャージするのが前払いの電子マネーやプリペイドカード、支払いと同時に口座から引き落とされるのが即時払いのデビットカード、後日まとめて請求されるのが後払いのクレジットカードです。デビットカードは口座残高の範囲でしか使えないため、使いすぎを防ぎやすい特徴があります。同じカードの形をしていても、お金が動くタイミングで性質がまったく違う点を整理しておきましょう。
用語の確認
ライフプランニングと資金計画で学んだ用語を、カードで確かめましょう。用語を見て意味を思い出し、カードを押して答え合わせをします。
表 中小法人の資金計画
分からなかった点・気になった点
読み込み中です。
この章の問題を解く
章のまとめへ- 直接金融に該当する資金調達手段の選択解く
- 手形割引で差し引かれる費用の選択解く
- 税理士資格を持たないFPが行える行為の選択解く
- 弁護士資格を持たないFPが行える行為の選択解く
- 企業型確定拠出年金のマッチング拠出の要件の判定解く