システム活用促進・評価
情報システムの活用促進と普及啓発、デジタルリテラシー、ログ分析による利用実態の評価、システム廃棄までのライフサイクルの考え方を理解できるようになります。
ねらい
システムは作って終わりではありません。このレッスンを終えると、情報システムを経営に活かすための活用促進・普及啓発の活動、利用実態の評価・検証、そして廃棄までの一連の考え方を説明できるようになります。
ストーリー
高機能な業務システムを導入したのに、現場では以前のExcelファイルが使われ続けている。そんな光景は珍しくありません。原因を調べると、操作研修が導入時の1回きりで、マニュアルも更新されていませんでした。システムの価値は、使われてはじめて生まれます。
活用促進と評価の考え方
情報システムを有効に活用し経営に活かすためには、構築時から活用促進と普及啓発の活動を継続的に行い、利用実態を評価・検証して改善していくことが必要です。働き方の変化に伴い、私物の端末を業務に利用するBYOD(Bring Your Own Device)の管理や、問合せに自動で応答するチャットボットによる利用者支援も、活用促進の論点になっています。
活用の土台になるのがデジタルリテラシーです。経営目標の実現を目指してデジタル技術を安全、有効、効率的に活用するために、ITリテラシー、情報を適切に読み解くメディアリテラシー、セキュリティ意識を組織として確立することが重要です。
普及啓発
情報システムを活用するための教育・訓練などの普及啓発活動には、次のようなものがあります。
- 利用者用文書類(利用者マニュアル)や業務マニュアルの整備で、使い方と業務手順を伝えます。
- e-ラーニングや講習会で、教育・訓練を実施します。
- 人材育成計画で、中長期的に活用できる人を育てます。
- ゲーミフィケーションで、ゲームの要素(得点、ランキングなど)を取り入れて学習や利用の意欲を高めます。
一方で、ITを利用できる人とできない人の間に生じる格差をデジタルディバイドと呼びます。普及啓発は、この格差を生まないための取組でもあります。
利用実態の評価・検証
業務内容や業務フローの変更の有無、情報システムのパフォーマンスや信頼性などの運用状況、システムの利用状況を把握・評価し、改善の方向性と目標を明確化します。手段としては、システムの記録を分析するログ分析や、常時監視するログ監視が使われます。教育の場面では、e-ラーニングの受講状況や成績を管理する学習マネジメントシステム(LMS)が評価を支えます。
情報システム廃棄
機能、性能、運用性、拡張性、コストなどの観点から評価・検証した結果、情報システムやソフトウェアが寿命に達していると判断した場合には、システムを廃棄し、新たな情報システムの導入を検討します。企画から開発、運用を経て廃棄に至る一連の流れをシステムライフサイクルと呼びます。廃棄で終わりではなく、そこから新しいシステムの企画へとつながる循環として捉えましょう。
廃棄の際は、情報セキュリティポリシーに従ってデータの消去を確実に行うことが重要です。記憶装置を捨てただけではデータは残っており、情報漏えいの原因になるからです。
例題
次の問いに答えてください。
問1 従業員が私物の端末を業務に利用することを何といいますか。
問2 ITを利用できる人とできない人の間に生じる、情報や機会の格差を何といいますか。
解答と解説
問1の答えはBYOD(Bring Your Own Device)です。利便性の一方で、セキュリティ管理の仕組みが欠かせません。
問2の答えはデジタルディバイドです。普及啓発活動は、この格差の解消にもつながります。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 ゲームの得点やランキングといった要素を学習や業務システムの利用に取り入れて、利用者の意欲を高める手法はどれでしょうか。次の中から選んでください。
- ゲーミフィケーション
- e-ラーニング
- チャットボット
- ログ分析
解答と解説
答えは1のゲーミフィケーションです。ゲームの要素をゲーム以外の分野に応用して、参加意欲や継続意欲を高めます。2のe-ラーニングは、ネットワークを通じて学習を行う教育の形態そのものであり、ゲーム要素の応用を指す言葉ではありません。3のチャットボットは問合せに自動で応答するプログラムで、利用者支援の仕組みです。4のログ分析はシステムの記録を分析して利用実態を評価する手段であり、意欲を高める手法ではありません。
分からなかった点・気になった点
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