サービスマネジメント
サービスマネジメントの考え方とライフサイクル、JIS Q 20000とITIL、SLA・SLO・SLIによるサービスレベルの合意を理解できるようになります。
ねらい
ITをサービスとして提供し続ける管理を学びます。このレッスンを終えると、サービスマネジメントの目的、標準とフレームワーク、SLAによる合意の仕組みを説明できるようになります。
ストーリー
システムは完成して終わりではありません。翌日から「ログインできない」「動きが遅い」という声に応え、安定して動かし続ける日々が始まります。作る技術の次に必要なのは、提供し続ける能力。ここからの章の主役は、ITサービスという考え方です。
サービスマネジメントとは
サービスマネジメントは、顧客に価値を提供するために、サービスの計画立案、設計、移行、提供及び改善のための組織の活動と資源を指揮し、管理する一連の能力及びプロセスです。この5つの段階をサービスライフサイクルの段階といいます。提供するサービスは複数のサービスコンポーネントから構成され、その良さはサービス品質として測られます。
標準とフレームワーク
サービスマネジメントシステム(SMS)を確立し、実施し、維持し、継続的に改善するための組織への要求事項は、JIS Q 20000の規格群(ISO/IEC 20000シリーズ)として規格化されています。顧客とサービス提供者の関係を軸に、サービスの要求事項を満たす仕組みを定めます。
実践のノウハウ集としては、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)が世界のデファクトスタンダードとして活用されています。規格が「何を満たすべきか」を定め、ITILが「どうやるか」の実践を示す、という関係で捉えましょう。
SLA:サービスレベルの合意
サービスレベル合意書(SLA)は、サービスとその合意されたパフォーマンスを特定した、組織と顧客との間の合意文書です。「頑張ります」ではなく、測れる目標で約束します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| SLA | 顧客と取り交わす合意文書そのもの |
| SLO | サービスレベル目標。達成すべき目標値 |
| SLI | サービスレベル指標。目標の達成を測る指標 |
合意文書であるSLAの中に目標値のSLOがあり、SLOの達成を指標のSLIで測るという、3層の関係で捉えましょう。
代表的なサービスレベル目標には、サービス可用性(使える時間の割合)、信頼性、サービス時間(提供する時間帯)、応答時間があります。SLAはサービス及びサービスマネジメントシステムのパフォーマンスを測る物差しとなり、以降のレッスンで学ぶ運用のすべてが、この合意を守るための活動になります。
例題
次の問いに答えてください。
問1 サービスマネジメントの実践ノウハウ集として、世界でデファクトスタンダードになっているフレームワークは何ですか。
問2 サービスレベルの目標値そのものを表す用語は、SLA・SLO・SLIのどれですか。
解答と解説
問1の答えはITILです。要求事項を定める規格のJIS Q 20000(ISO/IEC 20000シリーズ)と、実践を示すITILという対比で覚えましょう。
問2の答えはSLOです。合意文書がSLA、目標値がSLO、それを測る指標がSLIという3層の関係です。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 サービス提供者と顧客の間で、提供するサービスの内容と合意されたパフォーマンスを特定した合意文書はどれでしょうか。次の中から選んでください。
- SLA
- SLO
- SLI
- ITIL
解答と解説
答えは1のSLA(サービスレベル合意書)です。可用性や応答時間などの目標を明記し、双方が合意した文書です。2のSLOは合意文書の中に記される目標値そのもの、3のSLIはその達成度を測る指標であり、どちらも文書の名前ではありません。4のITILはサービスマネジメントの実践をまとめたフレームワークのことで、個別の顧客との合意文書ではありません。
分からなかった点・気になった点
読み込み中です。