プロジェクトのコミュニケーション
コミュニケーションの計画から情報の配布まで、プッシュ型とプル型の使い分け、コミュニケーションチャネル数の計算を理解できるようになります。
ねらい
プロジェクトの情報の流れの管理を学びます。このレッスンを終えると、コミュニケーションの対象群のプロセス、伝達方法の3つの型、チャネル数の計算を説明できるようになります。
ストーリー
チームが4人から8人に倍増しました。ところが伝達ミスは倍どころではなく増え、「聞いていない」が頻発します。実は、人と人の連絡経路の数は人数に比例せず、はるかに速く増えるのです。この構造を知ることが、情報の流れを設計する出発点になります。
コミュニケーションの対象群のプロセス
コミュニケーションの対象群は、プロジェクトに関連する情報の計画、マネジメント、配布に必要なプロセスを含みます。
- コミュニケーションの計画で、伝える相手、内容、時期、手段を決めます。
- 情報の配布で、進捗報告書などの配布情報を計画に沿って届けます。
- コミュニケーションのマネジメントで、情報が正しく伝わっているかを確かめ、行き違いに対処します。
伝達の型と手段
伝達の方法は3つの型に分かれます。
| 型 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 双方向コミュニケーション | その場でやり取りし、認識を合わせる | 会議、テレビ会議、電話 |
| プッシュ型コミュニケーション | 送り手から相手へ届ける。届いたことは保証されるが、理解までは保証されない | 電子メール、ボイスメール、紙面の報告書 |
| プル型コミュニケーション | 受け手が必要なときに取りに行く | 共有ポータル、リポジトリ |
重要な合意は双方向で、記録の共有はプッシュ型で、大量の参照資料はプル型で、と目的に応じて使い分けます。3つの型は、情報が発信側と受信側の間をどう動くかで見分けられます。双方向は行き来し、プッシュ型は発信側から受信側へ、プル型は受信側が発信側へ取りに行きます。
コミュニケーションチャネル:経路は人数より速く増える
チームの中の1対1の連絡経路をコミュニケーションチャネルといいます。n人のチームのチャネル数は、nかける(nマイナス1)を2で割った本数になります。
4人なら6本、6人なら15本、8人なら28本。冒頭のチームは人数が2倍になったとき、チャネルは6本から28本へと4倍以上に増えていました。人数の増加は伝達の複雑さを急増させるため、報告の経路や会議体をあらかじめ設計しておく必要があるのです。4人を点で表し、すべての2人の組み合わせを線で結ぶと、経路の数を目で数えられます。
例題
次の問いに答えてください。
問1 受け手が必要なときに情報を取りに行く伝達の型を何といいますか。
問2 4人のチームのコミュニケーションチャネルは何本ですか。
解答と解説
問1の答えはプル型コミュニケーションです。送り手から届けるプッシュ型、その場でやり取りする双方向と合わせた3つの型を使い分けます。
問2の答えは6本です。4かける3を2で割って6本になります。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 6人のプロジェクトチームに2人のメンバーが加わりました。コミュニケーションチャネルは何本増えるでしょうか。次の中から選んでください。
- 2本
- 13本
- 15本
- 28本
解答と解説
答えは2の13本です。6人のときのチャネル数は6かける5を2で割って15本、8人のときは8かける7を2で割って28本です。差し引きで13本増えます。1の2本は、増えた人数をそのまま答えた誤りで、チャネルは人数に比例しては増えません。3の15本は増加前のチャネル数、4の28本は増加後のチャネル数そのものであり、どちらも「増えた本数」ではありません。
分からなかった点・気になった点
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