プロジェクトのステークホルダ
ステークホルダの特定とマネジメント、ステークホルダ登録簿、影響度と関心度による分析を理解できるようになります。
ねらい
プロジェクトを取り巻く人々との関係の管理を学びます。このレッスンを終えると、ステークホルダの特定からマネジメントまでの流れと、登録簿と分析という道具を説明できるようになります。
ストーリー
新システムの稼働1週間前、経理部長から「うちの部は何も聞いていない。この帳票では月次処理ができない」と待ったがかかりました。開発チームは要求を出した営業部としか話していなかったのです。プロジェクトに影響を与える人、影響を受ける人。その全員を最初に見つけておくことが、こうした事故を防ぎます。
ステークホルダの対象群のプロセス
ステークホルダは、プロジェクトに影響を与えるか、プロジェクトから影響を受ける個人や組織の総称です。プロジェクトスポンサー、顧客、利用部門、そして冒頭の経理部のような関係部門も含まれます。
ステークホルダの対象群には、2つのプロセスがあります。
- ステークホルダの特定で、関係する個人や組織を漏れなく洗い出します。
- ステークホルダのマネジメントで、それぞれの期待や懸念を理解し、適切に関与してもらえるように働きかけ続けます。
登録簿と分析
特定したステークホルダは、ステークホルダ登録簿に文書化します。誰が、どんな利害と期待を持ち、どれだけの影響力があるかを整理した一覧です。
整理にはステークホルダ分析を使います。プロジェクトへの影響度と関心度という軸で分類し、影響度も関心度も高い相手には密に関与し、影響度が高く関心が薄い相手には満足を保つ、というように関わり方の濃淡を決めます。全員に同じ対応はできないからこそ、分析に基づく優先順位が要るのです。
ステークホルダとの関係は一度きりの確認では終わりません。プロジェクトの進行とともに関心も影響も変わるため、登録簿を更新しながらマネジメントを続けます。
例題
次の問いに答えてください。
問1 プロジェクトに影響を与える、またはプロジェクトから影響を受ける個人や組織の総称を何といいますか。
問2 ステークホルダの利害・期待・影響力を整理した文書を何といいますか。
解答と解説
問1の答えはステークホルダです。発注者や利用者だけでなく、影響を受ける関係部門や、場合によっては規制当局まで含む広い概念です。
問2の答えはステークホルダ登録簿です。特定の結果を文書化し、プロジェクトを通じて更新し続けます。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 プロジェクトの利害関係者を洗い出し、それぞれの影響度や関心度を分析して整理した文書はどれでしょうか。次の中から選んでください。
- ステークホルダ登録簿
- プロジェクト憲章
- 変更登録簿
- 得た教訓文書
解答と解説
答えは1のステークホルダ登録簿です。ステークホルダの特定とステークホルダ分析の結果をまとめ、関わり方を決める土台になります。2のプロジェクト憲章はプロジェクトを正式に発足させて目的と権限を定める文書です。3の変更登録簿は変更要求の経緯を記録する文書、4の得た教訓文書は終結時に次のプロジェクトへ引き継ぐ知見をまとめた文書であり、いずれも利害関係者の分析を整理したものではありません。
分からなかった点・気になった点
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