プロジェクトの資源
チームの編成から資源の管理まで、責任分担マトリックス(RAM)と組織ブレークダウンストラクチャ(OBS)という資源の対象群を理解できるようになります。
ねらい
プロジェクトの人と物の管理を学びます。このレッスンを終えると、資源の対象群のプロセスの流れと、責任分担を見えるようにするRAMやOBSという道具を説明できるようになります。
ストーリー
テストの開始日、誰もテストデータを用意していませんでした。「てっきり設計チームがやると思っていた」「いや、テスト担当の仕事でしょう」。作業の一覧はあったのに、担当の対応表がなかったのです。人・施設・機器という資源を必要なときに必要なだけそろえる。それが資源の対象群です。
資源の対象群のプロセス
資源には、人員だけでなく、施設、機器、材料、インフラストラクチャ、ツールが含まれます。プロセスは次のとおりです。
- プロジェクトチームの編成で、必要な人材を集めます。
- 資源の見積りで、作業に必要な資源の種類と量を資源要求事項として見積もります。
- プロジェクト組織の定義で、役割と責任の構造を定め、プロジェクトの組織図を作ります。
- プロジェクトチームの開発で、教育やチームビルディングによってチームの能力を高めます。
- 資源の管理と、プロジェクトチームのマネジメントで、資源の過不足やチームの状態を継続的に把握し、調整します。
RAMとOBS:分担を見えるようにする
冒頭の「誰の仕事か分からない」を防ぐ道具が2つあります。
- RAM(責任分担マトリックス)は、作業と要員を行と列に並べた表で、誰がどの作業にどんな責任(実行、承認、相談先など)を持つかを明確にします。WBSの作業と組織の人を結び付ける対応表です。
- OBS(組織ブレークダウンストラクチャ)は、プロジェクトの組織を階層的に分解した構造図です。WBSが「仕事の分解」なら、OBSは「組織の分解」です。
WBSで仕事を分解し、OBSで組織を整理し、RAMで両者を結ぶ。この3点セットで、すべての作業に担当が付いた状態を作ります。WBSの末端にある作業と、OBSの末端にある要員を、RAMが行と列に並べて結び付けると考えると分かりやすいです。
例題
次の問いに答えてください。
問1 作業と要員の対応を表形式で示し、責任の所在を明確にする道具を何といいますか。
問2 教育やチームビルディングによってチームの能力を高めるプロセスを何といいますか。
解答と解説
問1の答えはRAM(責任分担マトリックス)です。どの作業にも担当が付き、どの担当も負荷が見えるようになります。
問2の答えはプロジェクトチームの開発です。集めたメンバーがそのまま機能するとは限らないため、開発(育成)のプロセスが独立して定義されています。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 プロジェクトの組織を階層的に分解して表した構造図はどれでしょうか。次の中から選んでください。
- OBS
- WBS
- RAM
- PMO
解答と解説
答えは1のOBS(組織ブレークダウンストラクチャ)です。組織を階層的に分解して、責任の構造を見えるようにします。2のWBSは組織ではなく、成果物と作業を階層的に分解した構造図です。分解する対象の違いに注意してください。3のRAMは、作業と要員の対応を示す表であり、階層的な構造図ではありません。4のPMOは組織横断でプロジェクト管理を支援する部門の名前であり、図や表ではありません。
分からなかった点・気になった点
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