ネットワーク管理
構成管理・障害管理・性能管理という運用の3本柱、pingなどの管理コマンド、SNMP、SDNなどの仮想ネットワークを理解できるようになります。
ねらい
ネットワークを健全に動かし続けるための運用管理を学びます。このレッスンを終えると、運用管理の3つの柱、代表的な管理コマンドの使いどころ、SNMPによる集中管理、ネットワーク仮想化の基本用語を説明できるようになります。
ストーリー
「インターネットにつながらない」という連絡が届きました。原因はケーブルか、機器か、設定か、それとも相手側か。あてずっぽうに触るのではなく、pingで生きているかを確かめ、tracerouteでどこまで届くかを追う。ネットワーク管理者は、道具と手順で切り分けていきます。
ネットワーク運用管理の3本柱
構成管理
ネットワーク構成や機器の設定、ソフトウェアのバージョンなどの構成情報を正しく記録し、変更のたびに更新するのが構成管理です。いまの姿が分からなければ、障害対応も増強もできません。構成をソフトウェアで一元的に制御するSDNの広がりで、構成管理のあり方も変わりつつあります。
障害管理
障害への対応は、情報収集、障害の切分け、障害原因の特定、復旧措置、記録という流れで進めます。機器が応答するかを定期的に確かめる死活監視で、障害の検出を自動化します。冒頭の「つながらない」への対応は、まさにこの障害管理の実践です。
性能管理
トラフィック量と転送時間の関係を分析し、回線や機器の増強を計画するのが性能管理です。日頃からのトラフィック監視が、混雑の予兆をつかむ土台になります。
管理のためのコマンドとSNMP
代表的なコマンド
| コマンド | 用途 |
|---|---|
| ping | 相手に届くかを確かめる(ICMPを利用) |
| traceroute | 相手までの経路を調べる |
| ifconfig、ip | 自分のネットワーク設定を確認する |
| arp | IPアドレスと物理アドレスの対応を確認する |
| netstat、ss | 通信の状態やポートの使用状況を確認する |
| dig | DNSの応答を調べる |
SNMP
多数のネットワーク機器を集中管理するためのプロトコルがSNMPです。管理される機器側で情報を集めるSNMPエージェントと、それらを集約して監視するSNMP管理ステーションで構成され、機器の情報はMIB(管理情報ベース)という決まった形で保持されます。
仮想ネットワーク
物理的な配線に手を触れずに、ソフトウェアでネットワークを作り替える技術が広がっています。
- トンネリングは、ネットワークの上に仮想的な通信路を作る技術です。
- SDN(Software-Defined Networking)は、ネットワーク全体の制御をソフトウェアで集中管理する考え方で、代表的な実現方式にOpenFlowがあります。
- NFV(Network Functions Virtualization)は、ルータやファイアウォールなどの機能について、専用機器ではなく汎用サーバ上のソフトウェアで実現する技術です。
例題
次の問いに答えてください。
問1 ネットワーク機器が応答するかを定期的に確認して、障害を検出する監視を何といいますか。
問2 SNMPで、管理される機器の側に置かれ、機器の情報を収集する構成要素を何といいますか。
解答と解説
問1の答えは死活監視です。pingなどで機器の生死を定期的に確かめ、応答が途絶えたら障害と判断します。
問2の答えはSNMPエージェントです。エージェントが集めた情報はSNMP管理ステーションが集約して監視します。情報の形式はMIBで定められています。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 ネットワーク全体の制御をソフトウェアで集中的に行う考え方で、OpenFlowが代表的な実現方式であるものはどれでしょうか。次の中から選んでください。
- SDN
- NFV
- SNMP
- トンネリング
解答と解説
答えは1のSDN(Software-Defined Networking)です。機器ごとに個別に設定していた経路制御などをソフトウェアで集中管理します。2のNFVは、ルータなどのネットワーク機能を汎用サーバ上のソフトウェアで実現する技術で、制御の集中化そのものを指す用語ではありません。3のSNMPはネットワーク機器を集中「監視」するためのプロトコルであり、経路などの「制御」を定義する枠組みではありません。4のトンネリングはネットワーク上に仮想的な通信路を作る技術で、全体の制御方式の名前ではありません。
分からなかった点・気になった点
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