ネットワーク応用
電子メールとWebの仕組み、cookieとセッションID、VPNによるイントラネット、5GやMVNOなどのモバイルシステムを理解できるようになります。
ねらい
インターネットの応用の仕組みを学びます。このレッスンを終えると、電子メールが届くまでの流れ、WebのHTTPSやcookieの役割、VPNと通信サービスの種類、モバイル通信の基本用語を説明できるようになります。
ストーリー
外出先のスマートフォンで書いたメールが、一瞬で地球の裏側に届きます。移動しながら動画を見ても途切れません。メールをリレーするサーバたち、電波の基地局を渡り歩く仕組み。当たり前の便利さの裏側を順に見ていきましょう。
電子メールとWeb
電子メール
電子メールは、メールサーバとメールクライアントで構成されます。送信したメールは、SMTPによってメールサーバからメールサーバへとリレー方式で配送され、受信者はPOP3で手元に取り込むか、IMAP4でサーバに置いたまま読みます。文字だけでなく画像や添付ファイルを運べるのはMIMEという拡張の仕組みのおかげです。HTMLメール(MHTML)やブラウザで読み書きするWebメールも広く使われています。
Web
WWWは、インターネット上のハイパーテキストのシステムです。WebブラウザがURLで場所を指定し、HTTPでWebサーバからページを取り寄せます。通信を暗号化する方式がHTTP over TLS(HTTPS)です。サーバ側でプログラムを動かして動的なページを作る古典的な仕組みにCGIがあります。
HTTPは1回ごとのやり取りで完結するため、利用者を覚えるための工夫が要ります。サーバがブラウザに小さなデータを預けるcookieと、利用者を識別するセッションIDによって、ログイン状態の維持や買い物かごが実現されています。
ファイル転送と検索エンジン
FTPによるファイル転送では、手元からサーバへ送るアップロードと、サーバから受け取るダウンロードがあり、接続の張り方にアクティブモードとパッシブモードがあります。Webの情報を探す検索エンジンは、巡回プログラムがページを集めるロボット型で、本文全体を対象にする全文検索型が主流です。
イントラネットと通信サービス
インターネットの技術を企業内ネットワークに応用したものがイントラネットです。拠点間の接続には、公衆網の上に仮想的な専用網を作るVPNや相手固定接続が使われます。企業のイントラネットどうしを相互接続したものがエクストラネットで、EC(電子商取引)や企業間の取引データ交換であるEDIの基盤になります。ネットワーク管理や通信サービスの提供を専門に担うソフトウェアはネットワークOSと呼ばれます。
通信事業者のサービスには、専用線サービス、回線交換サービス、パケット交換サービス、IP電話、光ファイバーを家庭まで引き込むFTTH、衛星通信サービス、国際通信サービス、拠点間をLANのようにつなぐ広域EthernetやIP-VPNがあります。
モバイルシステム
モバイル通信サービス
携帯電話網を自前で持つ事業者が移動体通信事業者、その回線を借りてサービスを提供する事業者が仮想移動体通信事業者(MVNO)です。通信規格はLTE、その上の音声通話のVoLTE、そして5G(第5世代移動通信システム)へと発展し、企業や自治体が限られた区域で使うローカル5Gもあります。複数の周波数帯を束ねて高速化する技術をキャリアアグリゲーションといい、契約者の識別にはSIMカードや本体内蔵のeSIMを使います。
構成要素と通信技術
携帯電話、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末をはじめ、スマートフォンを経由して他の機器をインターネットへつなぐテザリング、自動車と通信を組み合わせるテレマティクスといった応用があります。
無線通信の基盤技術としては、通話しながら基地局を切り替えるハンドオーバー、契約事業者の圏外で他の事業者の網を使うローミング、複数のアンテナで高速化するMIMO、省電力で広域をカバーしIoT機器に向くLPWA、センサー機器をつなぐIoTエリアネットワークを押さえておきましょう。
例題
次の問いに答えてください。
問1 HTTPで利用者のログイン状態を維持するために、サーバがブラウザに預ける小さなデータを何といいますか。
問2 移動体通信事業者から回線を借りて、自前の設備を持たずに通信サービスを提供する事業者を何といいますか。
解答と解説
問1の答えはcookieです。cookieとセッションIDによって、1回ごとのやり取りで完結するHTTPの上でも利用者を覚え続けられます。
問2の答えは仮想移動体通信事業者(MVNO)です。いわゆる格安SIMの事業者がこれに当たります。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 公衆のネットワークの上に、暗号化などによって仮想的な専用ネットワークを構築する技術はどれでしょうか。次の中から選んでください。
- VPN
- FTTH
- テザリング
- ローミング
解答と解説
答えは1のVPNです。インターネットなどの共用の網の上に仮想的な専用線を作り、拠点間や在宅勤務の接続を安全にします。2のFTTHは光ファイバーを家庭まで引き込む回線サービスのことで、仮想的な専用網を作る技術ではありません。3のテザリングはスマートフォンを経由して他の機器をインターネットへつなぐ機能です。4のローミングは契約事業者の圏外で他の事業者の網を使う仕組みであり、専用ネットワークの構築とは別の技術です。
分からなかった点・気になった点
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