英文コントロールリストでの該非確認の実務
海外の取引先とのやり取りで使う英文コントロールリストと日本の項番の橋渡し、specially designedなどの英文要件語と日本語条文の対応、対応表を使うときの注意を扱えるようになります。
ここからは Advanced の範囲です。レジームの英文リスト(この章の初学の節で存在を学びました)を、実際の該非確認のやり取りで使う場面に下ります。
この節で学ぶこと
- 海外とのやり取りで英文リストの番号が出てくる場面と、日本の項番への橋渡しを説明できるようになります。
- 英文の要件語と日本語条文の対応関係に注意して読めるようになります。
覚えること
- 海外の取引先・グループ会社との該非のやり取りは、英文リストの番号で来ることが普通です。ワッセナー・アレンジメントのリスト番号、米国のECCN(第14章)、EUのデュアルユース規則の番号。相手は自国・自地域の体系で話します。
- 日本の輸出者は、これを日本の項番(輸出令別表・外為令別表と貨物等省令)に写して判定します。レジームのリストが各国の国内リストの共通の親なので、番号どうしはおおむね対応しますが、一対一の翻訳ではありません。国内化の際の構成・粒度・上乗せの違いが残ります。
- 英文の要件語には、日本語条文との対応の型があります。specially designed(専用設計)は「専用に設計した」、requiredは技術の「必要な技術」に相当する系統の語です。前の節で見たとおり、これらの語は解釈の幅を持ち、裁判の争点にもなります。
- 法的効力を持つのは日本語の政省令です。英文リストや対応表は判定の入口・照合の道具であり、最終の判定は日本語条文への当てはめで確定させます。
1. なぜ英文の入口を持つことが実務の速さになるのか
グローバルの取引では、該非情報は英文の番号で流れてきます。米国メーカーは部品にECCNを付し、欧州の顧客はEU番号で確認を求め、グループの海外拠点はワッセナーの番号で話します。英文の番号から日本の項番への橋を持たないと、この情報の流れを判定に活かせず、毎回ゼロから項番の特定(第8章)をやり直すことになります。
橋を持つ実務は速い。相手のECCNから候補の項番に当たりを付け、日本語条文で確定する。逆方向では、自社の判定結果を相手の体系の番号でも案内でき、取引の確認が滑らかになります。ただし橋は近道であって証明ではありません。対応表の粒度の違いを知らずに「ECCNが非該当だから日本でも非該当」と写す誤りが、この実務の典型的な落とし穴です。
2. 英文情報から判定へ進む手順
- 相手から来た番号(ECCN・ワッセナー番号など)と、その体系を確かめます。
- 対応表で日本の項番の候補に写します(複数候補が出ることを前提にします)。
- 候補の項番について、日本語の別表・貨物等省令の文言で該非を確定します。
- 要件語(専用設計・必要な技術など)の解釈が判定を分ける場合は、前の節の型(条文・通達・由来の参照、必要なら事前相談)で確かめます。
- 判定の記録には、入口にした英文番号と、確定に使った日本語条文の両方を残します。
3. 注意すべきこと
試験で気をつける点
- 「米国のECCNで非該当なら、日本の該非判定も非該当としてよい」という記述は誤りです。体系間の対応は一対一ではなく、判定は日本語の政省令への当てはめで確定します。
- specially designed などの英文要件語が、日本語条文の対応する語と結びついて出題されえます。
実務で気をつける点
- 対応表は版の管理が命です。各体系(レジーム・EAR・EU・日本)は別々の周期で改正されるため、対応表の基準日をそろえて記録します。
4. 根拠・参照先
- 輸出令別表第1・外為令別表・貨物等省令。判定を確定させる日本語の法令です。
- 各レジームの英文リスト・米国CCL(第14章)・EUデュアルユース規則。入口になる英文の体系です。取得時に版を確認します。
5. 理解度の確認
次の記述が正しいか、誤りかを判断してみましょう。
問1 米国メーカーが部品に付したECCNが非該当相当であれば、その部品の日本の輸出における該非判定も非該当と確定してよい。
答え: 誤りです。英文の番号は判定の入口であり、確定は日本語の別表・貨物等省令への当てはめで行います。体系間の対応には粒度・構成の違いがあります。
問2 該非判定の記録には、入口にした英文リストの番号と、確定に使った日本語条文の両方を残すのがよい。
答え: 正しいです。海外との照合可能性と、国内法令上の根拠の両方が記録に残ります。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 核分野の条約は核兵器不拡散条約(NPT)であり、1970年に発効した。解く
- 生物兵器禁止条約(BWC)は1975年に発効し、生物兵器の開発、生産、貯蔵を禁止する。解く
- 化学兵器禁止条約(CWC)は、開発、生産、貯蔵に加えて使用も禁止し、検証制度を持つ。解く
- 生物兵器禁止条約(BWC)は、検証制度を持っている。解く
- 化学兵器禁止条約(CWC)は1975年に発効した。解く