受取手形記入帳と支払手形記入帳
手形の明細を1枚ずつ記録する受取手形記入帳・支払手形記入帳の様式を読み取り、てん末欄から決済の仕訳を復元できるようになります。
ねらい
総勘定元帳の受取手形勘定を見ても、そこにあるのは合計額だけです。どの手形がいつ満期を迎えるのかは分かりません。 このレッスンでは、手形を1枚ずつ記録しておく受取手形記入帳と支払手形記入帳を学びます。様式を読み取り、てん末欄から決済の仕訳を復元できるようになりましょう。
ストーリー
文房具店は、手形を何枚も受け取るようになりました。 受取手形勘定を見れば残高は分かりますが、それが手形1枚分なのか数枚分なのか、いつ入金されるのかは分かりません。満期日を取り違えると、資金の計画が立てられません。
そこで、手形を1枚ずつ記録する帳簿を用意します。受け取った手形を記録するのが受取手形記入帳、振り出した手形を記録するのが支払手形記入帳です。どちらも、特定の取引だけを詳しく記録する補助記入帳にあたります。
受取手形記入帳の様式
受け取った手形を記録します。3級で扱うのは約束手形だけなので、支払人と振出人は同じ相手になります。
| 日付 | 摘要 | 金額 | 手形番号 | 支払人 | 振出人 | 振出日 | 満期日 | 支払場所 | てん末(月日・摘要) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 5/10 | 売上 | 150,000 | 12 | X商店 | X商店 | 5/10 | 7/10 | 東西銀行 | 7/10 入金 |
| 6/2 | 売掛金 | 90,000 | 27 | Y商店 | Y商店 | 6/2 | 8/2 | 南北銀行 |
摘要欄には、その手形を受け取った原因を書きます。売り上げと同時に受け取ったなら売上、売掛金の決済として受け取ったなら売掛金です。前のレッスンで学んだ2つの型が、そのまま摘要欄に現れます。
てん末欄は、その手形が最後にどうなったかを書く欄です。1行目は7月10日に入金されて決済が済んでおり、2行目はまだ空欄なので、満期日が来ていない手形です。
ポイント
てん末欄が空欄の手形は、まだ残っている手形です。受取手形勘定の残高は、てん末欄が空欄の行の金額を合計した額と一致します。上の例では90,000円です。
支払手形記入帳の様式
振り出した手形を記録します。振り出したのは自分なので、振出人の欄は当店になります。
| 日付 | 摘要 | 金額 | 手形番号 | 受取人 | 振出人 | 振出日 | 満期日 | 支払場所 | てん末(月日・摘要) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 5/20 | 仕入 | 80,000 | 5 | Z商店 | 当店 | 5/20 | 7/20 | 東西銀行 | 7/20 支払 |
| 6/15 | 買掛金 | 50,000 | 6 | Z商店 | 当店 | 6/15 | 8/15 | 東西銀行 |
受取手形記入帳との違いは2つです。相手を書く欄が受取人になること、振出人が当店で固定されることです。摘要欄に仕入や買掛金が並ぶのも、手形が生まれた原因を書くという同じ考え方です。
てん末欄から仕訳を復元する
試験では、記入帳を示して「この記入から仕訳を答えなさい」と問われます。読み取る順序を決めておきましょう。
- どちらの記入帳かを見る。受取手形記入帳なら受取手形、支払手形記入帳なら支払手形を使います。
- 摘要欄を見る。手形が生まれたときの相手勘定が分かります。
- てん末欄を見る。記入があれば決済済み、空欄ならまだ残っています。
先ほどの受取手形記入帳の1行目を読み取ってみましょう。5月10日に売上を原因として受取手形が生まれ、7月10日に入金されて消えました。仕訳は2つになります。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 受取手形 | 150,000 | 売上 | 150,000 |
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 150,000 | 受取手形 | 150,000 |
例題
支払手形記入帳の1行目を読み取ってみましょう。摘要は仕入、金額は80,000円、てん末欄は「7/20 支払」です。
解答は次のとおりです。振り出したときと、支払ったときの2つの仕訳になります。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 80,000 | 支払手形 | 80,000 |
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 支払手形 | 80,000 | 当座預金 | 80,000 |
応用
支払手形記入帳の2行目は、摘要が買掛金、金額が50,000円、てん末欄は空欄です。この行から分かることを考えてみましょう。
解答は次のとおりです。 6月15日に買掛金を原因として支払手形が生まれた仕訳だけが必要です。てん末欄が空欄なので、決済の仕訳はまだありません。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 50,000 | 支払手形 | 50,000 |
てん末欄が空欄なのは、記入漏れではなくまだ満期日が来ていないという意味です。この行の50,000円が、支払手形勘定の残高として残ります。
確認問題
学んだ内容を、自分で確かめてみましょう。解答はそのすぐ後に示します。
問1. 受取手形記入帳の摘要欄に「売掛金」と書かれています。この手形が生まれたときの仕訳を答えてください。金額は70,000円です。
解答1. 売掛金が受取手形に置き換わります。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 受取手形 | 70,000 | 売掛金 | 70,000 |
問2. 受取手形記入帳のてん末欄が空欄の行が2行あり、金額は90,000円と60,000円です。受取手形勘定の残高はいくらですか。
解答2. 150,000円です。てん末欄が空欄の手形が、まだ残っている手形です。
問3. 支払手形記入帳の振出人欄には、いつも何が入りますか。
解答3. 当店が入ります。支払手形記入帳に記録するのは自分が振り出した手形なので、振出人は必ず自分になります。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 売掛金について電子記録債権の発生記録が行われたときの仕訳解く
- 取引銀行から電子記録債権の発生記録の通知を受けたときの仕訳解く
- 電子記録債権が決済され普通預金に入金されたときの仕訳解く
- 支払期日に電子記録債権が当座預金に入金されたときの仕訳解く
- 買掛金について電子記録債務の発生記録を行ったときの仕訳解く