決算整理 減価償却
決算で当期分の減価償却費を定額法・間接法により計上する決算整理ができるようになります。期中取得の月割計算も扱います。
ねらい
有形固定資産の価値の減少は、日々の取引では記録せず、決算でまとめて費用にします。 このレッスンでは、この減価償却を決算整理として行う手順を学びます。定額法で当期分の減価償却費を計算し、間接法で計上する仕訳ができるようになりましょう。減価償却そのもののしくみは、有形固定資産の章でも学びました。ここでは決算整理としての位置づけを確かめます。
ストーリー
文房具店の決算では、建物や備品が1年でどれだけ価値を減らしたかを計算し、その分を費用に計上します。 この処理は、日々の取引のなかでは行いません。固定資産は毎日少しずつすり減っていきますが、その減少をいちいち記録するのは現実的でないからです。そこで、決算の時点で1年分をまとめて減価償却費とします。 計算は定額法で行い、記帳は間接法によります。間接法では、固定資産そのものの金額は減らさず、価値の減少分を減価償却累計額に積み上げます。
減価償却の決算整理の仕訳
決算整理では、まず当期分の減価償却費を計算します。
ポイント
定額法では、取得原価から残存価額を引き、耐用年数で割ります。 「決算で、建物(取得原価1,200,000円、残存価額はゼロ、耐用年数30年)について、定額法・間接法により減価償却を行う」取引を考えてみましょう。 1年分の減価償却費は、1,200,000円を30年で割って40,000円です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 40,000 | 建物減価償却累計額 | 40,000 |
減価償却費は費用にあたり、費用が発生したときは借方へ記入するので、借方に書きます。 建物減価償却累計額は評価勘定で、残高は貸方に出ます。増えるときは貸方へ記入するので、貸方に書きます。
例題
それでは、備品の減価償却の決算整理を自分で仕訳にしてみましょう。 「決算で、備品(取得原価480,000円、残存価額はゼロ、耐用年数8年)について、定額法・間接法により減価償却を行う」取引です。
解答は次のとおりです。 1年分の減価償却費は、480,000円を8年で割って60,000円です。 減価償却費は費用にあたり、借方に書きます。備品減価償却累計額は評価勘定で、増えるときは貸方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 60,000 | 備品減価償却累計額 | 60,000 |
応用
最後に、期の途中で取得した固定資産の決算整理を見てみましょう。
注意
期中に取得したときは、使い始めてから決算までの月数で月割りします。
「決算(3月31日)で、当期の12月1日に取得した備品(取得原価360,000円、残存価額はゼロ、耐用年数5年)について、定額法・間接法により減価償却を行う」取引です。
解答は次のとおりです。 1年分の減価償却費は、360,000円を5年で割って72,000円です。 使った期間は、12月1日から3月31日までの4か月です。1年分の72,000円に、12か月のうち4か月分を掛けて、24,000円となります。 減価償却費は費用にあたり、借方に書きます。備品減価償却累計額は評価勘定で、増えるときは貸方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 24,000 | 備品減価償却累計額 | 24,000 |
確認問題
学んだ内容を計算し、自分で仕訳にして確かめてみましょう。解答はそのすぐ後に示します。
問1. 決算で、備品(取得原価600,000円、残存価額はゼロ、耐用年数6年)について、定額法・間接法により減価償却を行う。
解答1. 1年分は600,000円を6年で割って100,000円です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 100,000 | 備品減価償却累計額 | 100,000 |
問2. 決算(3月31日)で、当期の10月1日に取得した車両運搬具(取得原価900,000円、残存価額はゼロ、耐用年数5年)について、定額法・間接法により減価償却を行う。
解答2. 1年分は180,000円。10月から3月までの6か月分なので、90,000円です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 90,000 | 車両運搬具減価償却累計額 | 90,000 |
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 翌期首に貯蔵品(収入印紙)を費用へ再振替するときの仕訳解く
- 翌期首に貯蔵品(郵便切手)を費用へ再振替するときの仕訳解く
- 翌期首に貯蔵品(収入印紙と郵便切手の両方)を費用へ再振替するときの仕訳解く
- 決算整理後残高試算表の作成解く
- 精算表の作成解く