固定資産台帳
固定資産ごとの取得原価・減価償却累計額・帳簿価額を管理する固定資産台帳を読み取り、総勘定元帳との対応を理解します。
ねらい
固定資産が増えてくると、それぞれの資産が、いつ取得され、いまいくらの価値になっているかを一覧で管理したくなります。 このレッスンでは、固定資産を1つずつ記録する補助簿である固定資産台帳(こていしさんだいちょう)を学びます。台帳から取得原価・減価償却累計額・帳簿価額を読み取り、総勘定元帳の備品勘定などとの対応を理解しましょう。
ストーリー
文房具店は、備品や車両運搬具をいくつも持つようになりました。 総勘定元帳の備品勘定を見ても、そこにあるのはすべての備品を合わせた金額だけです。どの備品をいつ買い、これまでにいくら減価償却したのか、といった個別の情報までは分かりません。 そこで、固定資産を1つずつ管理する帳簿を用意します。これが固定資産台帳です。台帳には、固定資産ごとに、取得した日付、取得原価、これまでの減価償却累計額、そしていまの帳簿価額が記録されます。 この台帳があれば、減価償却費の計算も、売却や除却のときの帳簿価額の確認も、すぐにできます。
固定資産台帳の読み方
固定資産台帳の例を見てみましょう。決算日を3月31日とする、ある年度の備品の台帳です。
| 取得年月日 | 名称 | 取得原価 | 期首減価償却累計額 | 当期減価償却費 | 期末帳簿価額 |
|---|---|---|---|---|---|
| X1年4月1日 | 備品A | 300,000 | 120,000 | 60,000 | 120,000 |
| X3年10月1日 | 備品B | 240,000 | 0 | 30,000 | 210,000 |
備品Aは、取得原価300,000円、耐用年数5年、残存価額ゼロの定額法で、1年分の減価償却費は60,000円です。当期の期首までに2年分の120,000円を償却済みなので、期首減価償却累計額は120,000円です。当期にもう1年分の60,000円を償却すると、期末の減価償却累計額は180,000円となり、期末帳簿価額は300,000円から180,000円を引いた120,000円になります。 備品Bは、当期の10月1日に取得したばかりです。取得原価240,000円、耐用年数4年、残存価額ゼロなら、1年分は60,000円です。10月から3月までの6か月分なので、当期の減価償却費は30,000円となり、期末帳簿価額は210,000円です。
台帳から仕訳へ
ポイント
固定資産台帳の当期減価償却費の欄は、そのまま決算の減価償却の仕訳につながります。
台帳から、備品Aと備品Bの当期減価償却費を合計すると、60,000円と30,000円で90,000円です。 これを決算の減価償却の仕訳にすると、次のようになります。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 90,000 | 備品減価償却累計額 | 90,000 |
減価償却費は費用にあたり、費用が発生したときは借方へ記入するので、借方に書きます。 備品減価償却累計額は評価勘定で、増えるときは貸方へ記入するので、貸方に書きます。 このように、台帳は固定資産ごとの内訳を示し、その合計が総勘定元帳の備品勘定や減価償却累計額の動きと対応します。
例題
固定資産台帳の備品Aについて答えてみましょう。 「備品A(取得原価300,000円、耐用年数5年、残存価額ゼロ、定額法)の、取得から3年が過ぎた時点での減価償却累計額と帳簿価額はいくらか」
解答は次のとおりです。 1年分の減価償却費は、300,000円を5年で割って60,000円です。3年分では180,000円なので、減価償却累計額は180,000円です。 帳簿価額は、取得原価300,000円から減価償却累計額180,000円を引いて120,000円です。
応用
最後に、台帳の情報をもとに売却の仕訳を考えてみましょう。 「備品A(取得原価300,000円、期末減価償却累計額180,000円、帳簿価額120,000円)を、130,000円で売却し、代金は現金で受け取った」取引です。
解答は次のとおりです。 台帳から、帳簿価額は120,000円と分かります。これを130,000円で売ったので、差額の10,000円が固定資産売却益です。 取得原価300,000円を貸方に書いて備品を消し、減価償却累計額180,000円を借方に書いて消します。 現金130,000円を借方に、固定資産売却益10,000円を貸方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 備品減価償却累計額 | 180,000 | 備品 | 300,000 |
| 現金 | 130,000 | 固定資産売却益 | 10,000 |
確認問題
固定資産台帳を読み取って答えてみましょう。解答はそのすぐ後に示します。
問1. 備品B(取得原価240,000円、耐用年数4年、残存価額ゼロ、定額法)を当期の10月1日に取得した。決算日を3月31日とするとき、当期の減価償却費はいくらか。
解答1. 1年分は240,000円を4年で割って60,000円。10月から3月までの6か月分なので、30,000円です。
問2. 上記の備品Bについて、当期末の帳簿価額はいくらか。
解答2. 取得原価240,000円から、当期の減価償却累計額30,000円を引いて、210,000円です。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 付随費用を含めて建物を取得したときの仕訳解く
- 据付費を含めて備品を取得したときの仕訳解く
- 整地費用を含めて土地を取得したときの仕訳解く
- 決算で備品の減価償却を間接法で行うときの仕訳解く
- 残存価額のある建物の減価償却を間接法で行うときの仕訳解く