連結会社間取引の処理
親子会社間の売上と仕入、債権と債務を相殺消去できるようになります。
ねらい
グループ内部の取引を連結上で取り除く処理を学びます。このレッスンを終えると、親子会社間の売上高と売上原価、債権と債務の相殺消去ができるようになります。
ストーリー
P社は子会社のS社へ、商品 ¥2,000,000 を掛けで販売しました。P社の個別財務諸表には売上 ¥2,000,000 と売掛金が、S社の個別財務諸表には仕入 ¥2,000,000 と買掛金が載っています。
しかし連結の視点では、これはグループの右手から左手へ商品を動かしただけです。グループの外の顧客には、まだ何も売れていません。単純に合算すると、売上も仕入も債権も債務も、実態より膨らんで見えてしまいます。
そこで連結修正仕訳で、グループ内部の取引と債権・債務を相殺消去します。
図解
相殺消去する主な組み合わせです。
| 親会社側の項目 | 子会社側の項目 |
|---|---|
| 売上高 | 売上原価(仕入) |
| 売掛金 | 買掛金 |
| 電子記録債権 | 電子記録債務 |
| 貸付金 | 借入金 |
| 受取利息 | 支払利息 |
ポイント
親子のどちらが売り手でも、組み合わせは同じです。
仕訳と理由
内部の商品売買 ¥2,000,000 を相殺消去する連結修正仕訳です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売上 | 2,000,000 | 売上原価 | 2,000,000 |
P社の売上とS社の売上原価は、グループ内部の商品の移動にすぎないので、両方を消します。連結損益計算書の売上高と売上原価が、外部への販売分だけになります。
決算日にS社がまだ支払っていない掛け代金 ¥800,000 についての、債権・債務の相殺消去です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 800,000 | 売掛金 | 800,000 |
P社の売掛金とS社の買掛金は、グループの外から見れば存在しない貸し借りなので、両方を消します。本支店会計で支店勘定と本店勘定を相殺したのと同じ発想です。
グループ内部の資金の貸し借りも同じです。P社がS社へ ¥1,000,000 を貸し付け、利息 ¥20,000 を受け取っていた場合は、貸付金と借入金 ¥1,000,000 どうし、受取利息と支払利息 ¥20,000 どうしを相殺消去します。
例題
次の連結修正仕訳を書いてみましょう。
当期において、S社(子会社)はP社(親会社)へ商品 ¥1,500,000 を掛けで販売した。この取引に関する内部売上を相殺消去する。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売上 | 1,500,000 | 売上原価 | 1,500,000 |
子会社から親会社への販売(アップストリーム)でも、内部売上の相殺消去の形は同じです。S社の売上とP社の売上原価を消します。
応用
次の連結修正仕訳を書いてみましょう。
決算日現在、P社の貸借対照表にはS社に対する貸付金 ¥3,000,000 と、それに対応する受取利息 ¥60,000 が計上されている。S社側では同額の借入金と支払利息が計上されている。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 借入金 | 3,000,000 | 貸付金 | 3,000,000 |
| 受取利息 | 60,000 | 支払利息 | 60,000 |
内部の資金の貸し借りと、その利息のやり取りをそれぞれ相殺消去します。グループの外に対する債権・債務と損益だけが、連結財務諸表に残ります。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 支配獲得日の資本連結の空欄補充解く
- のれんの償却と非支配株主持分の空欄補充解く
- 投資と資本の相殺消去とのれん(部分所有・資本剰余金あり)解く
- 棚卸資産の未実現利益の消去(親会社から子会社への販売)解く
- 土地の未実現利益の消去(子会社から親会社への売却)解く