建設仮勘定
完成前の建物への支払いを建設仮勘定に集め、完成引き渡し時に建物へ振り替えられるようになります。
ねらい
建設中の建物など、完成前の固定資産への支払いの処理を学びます。このレッスンを終えると、工事代金の前払い分を建設仮勘定に集めておき、完成したときに建物勘定へ振り替えられるようになります。
ストーリー
あなたの会社は事業の拡大にともない、新しい店舗を建てることにしました。建設会社と総額 ¥9,000,000 の工事契約を結び、着工にあたって手付金 ¥3,000,000 を普通預金口座から支払いました。
さて、この ¥3,000,000 は何の勘定で記録すべきでしょうか。建物はまだ影も形もないので、建物勘定にはできません。かといって費用でもありません。完成すれば店舗という資産になるお金です。
このような、完成前の固定資産のために支払ったお金を集めておく勘定が「建設仮勘定(けんせつかりかんじょう)」です。資産の勘定ですが、あくまで完成までの仮の置き場所です。完成して引き渡しを受けたときに、建物などの本来の勘定へ振り替えます。
図解
工事の進行と勘定の動きを整理します。
| 時点 | 出来事 | 処理 |
|---|---|---|
| 着工時 | 手付金 ¥3,000,000 を支払った | 建設仮勘定に計上する |
| 完成・引き渡し時 | 残額 ¥6,000,000 を支払った | 建設仮勘定の全額と残額を建物勘定へ振り替える |
ポイント
建設仮勘定はまだ使っていない資産なので、減価償却をしません。減価償却が始まるのは、建物勘定へ振り替えて使用を開始してからです。
仕訳と理由
着工時に手付金を支払ったときの仕訳です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 建設仮勘定 | 3,000,000 | 普通預金 | 3,000,000 |
借方は建設仮勘定です。完成前の建物のための支払いなので、建物ではなく仮の資産勘定である建設仮勘定の増加として借方に記入します。貸方は口座から出たお金の普通預金です。
建物が完成し、引き渡しと同時に残額 ¥6,000,000 を普通預金口座から支払ったときの仕訳です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 建物 | 9,000,000 | 建設仮勘定 | 3,000,000 |
| 普通預金 | 6,000,000 |
借方は建物です。完成した店舗は、工事代金の総額 ¥9,000,000 で資産に計上します。貸方は2つに分かれます。仮の置き場所だった建設仮勘定 ¥3,000,000 は役目を終えたので取り崩し、残額の ¥6,000,000 は普通預金の減少として記入します。
例題
次の取引を仕訳してみましょう。
倉庫の建設を建設会社に依頼し、工事代金 ¥4,000,000 のうち中間金として ¥1,600,000 を普通預金口座から支払った。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 建設仮勘定 | 1,600,000 | 普通預金 | 1,600,000 |
倉庫はまだ完成していないので、支払った中間金は建設仮勘定という資産の増加として借方に記入します。
応用
例題の続きです。次の取引を仕訳してみましょう。
倉庫が完成して引き渡しを受け、工事代金の残額 ¥2,400,000 を普通預金口座から支払った。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 建物 | 4,000,000 | 建設仮勘定 | 1,600,000 |
| 普通預金 | 2,400,000 |
完成した倉庫は、工事代金の総額 ¥4,000,000 で建物勘定の借方に記入します。中間金のときに計上した建設仮勘定 ¥1,600,000 を取り崩し、残額 ¥2,400,000 を普通預金の減少として貸方に記入します。この日から倉庫は事業に使われる資産となり、減価償却の対象になります。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 備品を割賦契約で購入したときの仕訳解く
- 建物が完成し建設仮勘定を振り替えたときの仕訳解く
- 国庫補助金で取得した機械装置の圧縮記帳の仕訳解く
- 保険を掛けた建物が焼失したときの仕訳解く
- 割賦金を支払い当月分の利息を振り替えたときの仕訳解く