システム活用促進・評価
導入したシステムが使われるようにする働きかけと、使われているかを測る方法を知り、情報リテラシーやデジタルデバイドの意味を説明できるようになります。
ねらい
導入したシステムを、使われる状態に持っていく方法を学びます。このレッスンを終えると、システムが使われない理由を人の側から考えられるようになり、活用の度合いを測る観点を説明できるようになります。
入れただけでは、使われません
システムは、導入した時点では価値を生んでいません。現場が使って、仕事が変わって、初めて効果が出ます。ところが実際には、入れたのに使われないことがよくあります。
理由は技術の側にあるとは限りません。
- 使い方が分からない。教える機会が無かった。
- 前のやり方のほうが速い。慣れた手順を変える負担が、得られる便益より大きく感じられる。
- なぜ変えるのかが伝わっていない。目的を知らされずに手順だけ変えられた。
だから、導入と同時に「使えるようにする働きかけ」が要ります。研修、マニュアル、相談窓口、そして目的の説明です。
情報リテラシーと、その差
情報リテラシーは、必要な情報を探し、内容を判断し、適切に使い、正しく発信できる力です。機器を操作できることだけを指すのではありません。その情報が信頼できるかを判断できることまで含みます。
この力に差があると、受けられる恩恵にも差が出ます。情報技術を使える人と使えない人の間に生じる格差をデジタルデバイドといいます。年齢、地域、収入などが要因になります。
公共のサービスをネットだけで提供すると、この差がそのまま不利益になります。だから窓口を残す、操作を簡単にする、教える機会を設けるといった配慮が必要になります。
データを扱う人と、活かす工夫
- データサイエンティスト… 大量のデータを分析し、事業の判断につながる知見を引き出す役割の人です。統計の知識と、業務の理解の両方が要ります。
- ゲーミフィケーション… 達成度の表示や称号など、遊びの要素を仕事や学習に取り入れて、続ける気持ちを支える工夫です。
- デジタルディバイドの解消や普及啓発… 講習会や相談窓口を通じて、使える人を増やす取り組みです。
使われているかを測る
活用の度合いは、感覚ではなく数で見ます。
- 利用状況… 何人が、どれくらいの頻度で使っているか。
- 業務への効果… 処理にかかる時間、間違いの件数がどう変わったか。
- 費用に対する効果… かけた費用に見合う効果が出ているか。
測った結果は、次の改善に返します。使われていない機能があれば、要らないのか、知られていないのか、使いにくいのかを切り分けます。原因が違えば、打つ手も違うからです。
まとめ
システムは導入した時点では価値を生まず、使われて初めて効果が出ます。使われない理由は技術より人の側にあることが多いため、研修や目的の説明といった働きかけが要ります。情報リテラシーは操作の技能ではなく、探して判断して使い発信する力で、その差がデジタルデバイドを生みます。活用は数で測り、結果を改善に返します。
理解の確認
行政サービスの申請手続きをインターネットのみに切り替えようとする案に対して、配慮すべき点を理由とともに述べてください。
答え: デジタルデバイドへの配慮が必要です。情報技術を使える人と使えない人の間には、年齢・地域・収入などを要因とする格差があります。行政サービスは誰もが受けられることが前提であるため、ネットのみに切り替えると、機器や回線を持たない人、操作に不安のある人が手続きそのものを行えなくなり、格差がそのまま不利益に変わります。対応としては、窓口や郵送などの手段を残す、操作を分かりやすくする、講習会や相談窓口で使える人を増やす、といった配慮が挙げられます。
分からなかった点・気になった点
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