プロジェクトとは何か
プロジェクトが日常業務と何が違うのかをつかみ、プロジェクト憲章とWBSを使って、やることの範囲を決められるようになります。
ねらい
プロジェクトという仕事の進め方を学びます。このレッスンを終えると、プロジェクトが日常業務とどう違うかを説明でき、やることの範囲を決める手順が分かるようになります。
プロジェクトは、終わりのある仕事です
プロジェクトは、独自の成果物を作るために、始まりと終わりを決めて行う活動です。日常業務との違いは2つあります。
| プロジェクト | 日常業務 | |
|---|---|---|
| 期間 | 始まりと終わりがある | 続いていく |
| 成果 | その都度異なる独自のもの | 同じことを繰り返す |
毎日の受注処理は日常業務ですが、受注処理システムを新しく作ることはプロジェクトです。作り終えれば、その活動は終わります。
プロジェクトマネジメントは、この活動を決めた期間・費用・品質の範囲で目的に到達させるための管理です。責任者をプロジェクトマネージャといいます。
始まりを、文書で定める
プロジェクトは、プロジェクト憲章で正式に始まります。ここに書くのは次のようなことです。
- 目的… 何のためにやるのか。
- 成果物… 何を作るのか。
- プロジェクトマネージャと、その権限。
- 大まかな期間と予算。
- 主な関係者。
ポイント
プロジェクト憲章の役割は、権限を与えることです。「誰がこのプロジェクトの決定をするのか」が文書で決まっていないと、関係部門から要望が来るたびに、受けるかどうかを判断できません。
やることの範囲を決める
スコープとは、そのプロジェクトでやることの範囲です。範囲が決まっていないと、日程も費用も見積もれません。
範囲を細かく分ける道具がWBS(作業分解構成図)です。
WBSは、成果物や作業を、上から下へ分けていった図です。最下段まで下ろす目安は、その作業の期間と費用が見積もれて、誰か1人に任せられる大きさです。
WBSを作ると、次の3つが同時に手に入ります。
- やることの一覧… 漏れが見つけやすくなります。
- 見積りの単位… 小さい単位なら見積りの精度が上がります。
- 担当の割り当て単位… 誰が何をやるかを決められます。
そしてWBSに無い作業は、やらない作業です。この線引きが、後からの「これもやってほしい」に対する判断の基準になります。
範囲が膨らむことを防ぐ
プロジェクトの途中で要望が増え、気づかないうちに範囲が広がることをスコープクリープといいます。1件ずつは小さくても、積み重なると日程も費用も足りなくなります。
防ぐには、変更を受け付ける窓口と、可否を決める人を決めておきます。そして受けると決めたら、日程と費用も一緒に見直します。範囲だけ増やして日程を据え置くと、必ずどこかで無理が出ます。
まとめ
プロジェクトは始まりと終わりがあり、独自の成果物を作る活動です。プロジェクト憲章で正式に始め、責任者に権限を与えます。WBSで作業を見積もれる大きさまで分け、そこに無い作業はやらない作業とします。範囲を増やすときは、日程と費用も一緒に見直します。
理解の確認
プロジェクトの進行中、関係部門から「この機能も追加してほしい」という要望が届きました。プロジェクトマネージャが要望を受け入れると判断した場合、範囲を広げるだけで済ませてはならない理由を述べてください。
答え: 範囲・日程・費用は互いに結びついているからです。作業を追加すれば、その作業に必要な時間と人手が増えます。範囲だけ広げて日程と費用を据え置けば、追加分をどこかで吸収せざるを得ず、他の作業の時間を削るか、品質を落とすか、担当者に無理をさせるかのいずれかになります。どれもプロジェクトの失敗につながります。受け入れると判断したなら、WBSに作業を追加し、その分の日程と費用を見直して関係者と合意するところまでを一続きで行う必要があります。この手続きを踏まないまま要望が積み重なる状態がスコープクリープです。
分からなかった点・気になった点
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