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ITパスポート試験

とくめいかこうじょうほう

匿名加工情報

Anonymously Processed Information

匿名加工情報は、個人情報の区分に応じた措置を講じて、特定の個人を識別できないように加工し、かつ元の個人情報を復元できないようにした情報です。作成するときは個人情報保護委員会規則の基準に従って加工する義務があります。作成した後は他の情報と照合することが禁じられます。第三者へ提供するときは、事前の公表と、匿名加工情報である旨の明示が求められます。

詳しい説明

定義

個人情報は、生存する個人に関する情報のうち、特定の個人を識別できるものを指します。匿名加工情報は、この個人情報を加工して作る情報です。個人情報の保護に関する法律の第2条第6項は、匿名加工情報を次のように定めています。個人情報の区分に応じた措置を講じて、特定の個人を識別することができないように加工し、かつ、元の個人情報を復元することができないようにしたものです。措置の区分は、仮名加工情報と同じ考え方で定められています。

この定義には2つの条件があります。

  • 特定の個人を識別できないこと
  • 元の個人情報を復元できないこと

2つ目の条件が、匿名加工情報の性質の中心です。仮名加工情報は、他の情報と照合すれば元の個人を識別できる余地が残る加工です。これに対して匿名加工情報は、復元そのものができない状態まで加工したものと位置づけられています。

制度の要点

匿名加工情報の扱いについて、条文は次の3つを定めています。

作成時の基準の遵守

第43条第1項により、匿名加工情報を作成するときは、個人情報保護委員会規則で定める基準に従って加工しなければなりません。どこまで加工すれば足りるかを作成者が自由に決めるのではなく、規則の基準に従うことが求められます。

作成後の照合の禁止

第43条第5項により、匿名加工情報を作成して自ら取り扱う事業者は、その匿名加工情報の作成に用いた個人情報に係る本人を識別するために、当該匿名加工情報を他の情報と照合してはなりません。この禁止は本人を識別する目的に限定されており、あらゆる照合行為を一律に禁じているわけではありません。加工の段階で復元できないようにするだけでなく、作成した後にも、本人を再識別する目的での照合を禁じているという構成です。

第三者提供時の公表と明示

第46条により、匿名加工情報取扱事業者が匿名加工情報を第三者に提供するときは、次の2つを行う必要があります。

  • あらかじめ、提供する匿名加工情報に含まれる個人に関する情報の項目と、提供の方法を公表すること
  • 提供先の第三者に対して、提供する情報が匿名加工情報であることを明示すること

公表は社会に向けた手続き、明示は提供先に向けた手続きです。両方が求められる点を押さえておきます。

AIとの関わり

購買履歴や移動履歴など個人に由来するデータは、統計的な分析やAIの学習データとして使いたい場面が多くあります。匿名加工情報は、特定の個人を識別できず復元もできない形に加工された情報なので、このようなデータ活用の選択肢の一つとして挙げられることがあります。

ただし、利用には次のような一般的な注意点があると考えられます。

  • 作成には規則の基準に従った加工が求められるため、単に氏名を消しただけのデータが匿名加工情報に当たるとは限りません。
  • 作成した後、本人を識別する目的での照合は禁じられています。学習や分析のために他のデータと結合する設計が、この照合の禁止とどう関係するかは、個別に確かめる必要があります。
  • 第三者に提供する場合は、項目と提供方法の公表、および匿名加工情報である旨の明示が伴います。データを受け取る側も、その明示があるかを確かめることが考えられます。

具体的な利用が許されるかどうかは、個人情報保護委員会の規則やガイドラインなどで確認することになります。

試験で問われること

ITパスポート試験

  • 個人を識別できず、元に戻せないように加工した情報であることを理解する
  • 仮名加工情報との違いを説明できる
  • データの利活用と個人の保護を両立させるための区分であることを理解する
  • 個人情報保護法を扱う設問で、仮名加工情報と対にして出ます。定義の中の「他の情報と照合しない限り」の有無で見分けることが要点です。

最終更新日: 2026/09/23