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G検定(ジェネラリスト検定)

うぉーどほう

ウォード法

Ward Method

ウォード法は、階層的クラスタリングでクラスタを1つずつ併合していくとき、併合によって増えるクラスタ内の誤差平方和が最も小さくなる組み合わせを選ぶ手法です。

詳しい説明

併合する組を決める基準

階層的クラスタリングのうち、データ点を1つずつのクラスタとして始め、近いものどうしを順に併合していくやり方では、各段階で「どの2つのクラスタを次に併合するか」を決める基準が必要です。ウォード法は、この基準の1つです。

ウォード法が見るのは、クラスタ内の誤差平方和(error sum of squares)です。あるクラスタの誤差平方和は、そのクラスタに属する各データ点と、クラスタの中心(属する点の平均)との距離を2乗し、すべて足し合わせた値です。値が小さいほど、クラスタ内の点が中心の近くにまとまっていることを表します。

2つのクラスタを1つに併合すると、新しいクラスタの中心は元の2つの中心の間に移るため、誤差平方和の合計は増えます。ウォード法は、候補となるすべての組について、この増加分を計算し、増加分が最も小さい組を併合します。言い換えると、併合のたびに「まとまりの悪さ」の増え方をできるだけ抑えていく手法です。

増加分と中心間の距離の関係

Wardの手法を調べたマータフ(Fionn Murtagh)とルジャンドル(Pierre Legendre)の2011年の論文は、先行研究の説明を引いて、この増加分がクラスタ中心どうしの2乗ユークリッド距離に比例すると述べています。中心どうしが離れているクラスタを併合するほど、新しい中心から見た点のばらつきが大きくなり、誤差平方和の増加も大きくなる、という関係です。

小さな数値例で確かめる

1次元の値で考えます。いま、次の3つのクラスタがあるとします。

  • クラスタA: 1と2(中心1.5、誤差平方和0.5)
  • クラスタB: 4(中心4、誤差平方和0)
  • クラスタC: 10(中心10、誤差平方和0)

3通りの併合について、併合後の誤差平方和と増加分を計算します。

併合する組併合後の点併合後の中心併合後の誤差平方和増加分
AとB1, 2, 47/342/9(約4.67)約4.17
BとC4, 1071818
AとC1, 2, 1013/3438/9(約48.67)約48.17

増加分が最も小さいのはAとBの組なので、ウォード法はまずAとBを併合します。中心間の距離の2乗はAとBが6.25、BとCが36、AとCが72.25で、この例でも中心どうしが近い組ほど増加分が小さくなっています。

使うときの前提と注意

  • クラスタの中心を平均で求め、距離をユークリッド距離で測るので、平均や距離に意味がある数値の特徴量を前提にしています。
  • 特徴量ごとに単位や尺度が大きく違うと、値の幅が大きい特徴量が距離をほぼ決めてしまいます。必要に応じて、あらかじめ尺度をそろえてから使います。
  • ウォード法は併合の順序を決める基準であり、最終的にいくつのクラスタに分けるかは決めません。併合の過程を樹形図で表し、どの高さで切るかを別に判断します。

名前の由来

マータフとルジャンドルの論文によれば、手法の名前は、1963年の論文でこの手法を初めて記述したウォード(Joe H. Ward, Jr.)に由来し、それ以来非常に広く使われてきたとしています。

試験で問われること

G検定

  • ウォード法は、階層的クラスタリングで2つのクラスタを併合するとき、クラスタ内の誤差平方和の増加分が最小になる組を選ぶ手法です。「最も近い点どうしの距離」や「最も遠い点どうしの距離」で併合する組を決める方法とは、見ている量が違います。
  • 誤差平方和は、各データ点とクラスタの中心(平均)との距離の2乗を足し合わせた値で、クラスタのまとまりの悪さを表します。併合するたびにこの値は増えるので、ウォード法は増え方を最小に抑える組を順に選びます。
  • 併合による誤差平方和の増加分は、クラスタ中心どうしの2乗ユークリッド距離に比例します。中心が離れたクラスタを併合するほど増加分が大きくなる、という関係で理解しておくと選択肢を見分けやすくなります。
  • ウォード法はk-means法のように最初にクラスタ数を指定する手法ではなく、併合の過程を階層として残す手法です。クラスタ数は、併合の過程を表す樹形図をどこで切るかで後から決めます。

最終更新日: 2026/09/23