本文へ移動

G検定(ジェネラリスト検定)

とうけいてききかいほんやく

統計的機械翻訳

Statistical Machine Translation

ある言語の文が与えられたときに、別の言語のどの文が訳文として出てくるかを確率として扱い、その確率にもとづいて翻訳を行う考え方です。

詳しい説明

翻訳を確率として捉える立場

統計的機械翻訳は、翻訳を確率の問題として扱う機械翻訳の方式です。1990年に Brown、Cocke、Della Pietra、Della Pietra、Jelinek、Lafferty、Mercer、Roossin の8名が発表した論文 A Statistical Approach to Machine Translation(Computational Linguistics 16巻2号)は、この立場を次のように述べています。

> We take the view that every sentence in one language is a possible translation of any sentence in the other. We assign to every pair of sentences (S, T) a probability, Pr(T|S), to be interpreted as the probability that a translator will produce T in the target language when presented with S in the source language.

つまり、ある言語のどの文も、もう一方の言語のどの文の訳にもなりうると考えます。そのうえで、すべての文の組 (S, T) に確率 Pr(T|S) を割り当てます。

Pr(T|S) が表すもの

S は翻訳のもとになる言語(原言語)の文、T は翻訳先の言語(目的言語)の文です。Pr(T|S) は、翻訳者が原言語の文 S を示されたときに、目的言語で文 T を生み出す確率として解釈されます。

この見方では、ある文の訳として正しいものを1つに決めておくのではありません。ありうる訳文それぞれに確率を持たせて、翻訳を扱います。

1949年の提案と1990年の再挑戦

上の論文によると、統計的な手法で機械翻訳を行う考えは新しいものではありません。1949年に Warren Weaver が、統計的手法と情報理論を使った機械翻訳を提案していました。しかし、当時のコンピュータの能力が足りなかったことなどから、この考えは放棄されました。

論文は、1990年当時の状況が違うことも述べています。コンピュータが速くなり、大規模な機械可読コーパス(コンピュータで読める形で集めた大量の文章データ)が使えるようになったため、統計的手法を再び試す時期に来ているという主張です。

規則にもとづく方式との違い

機械翻訳には、規則を使って訳す別の方式としてルールベース機械翻訳があります。統計的機械翻訳は、文の組ごとの確率 Pr(T|S) という考え方にもとづいて翻訳を扱う点に特徴があります。

試験で問われること

G検定

  • 統計的機械翻訳は、ある言語の文 S が与えられたときに、目的言語で文 T が生み出される確率 Pr(T|S) を、あらゆる文の組に割り当てて翻訳を扱う方式です。
  • ある言語のどの文も、もう一方の言語のどの文の訳にもなりうる、という見方をとります。
  • 統計的な考え方による機械翻訳は、1990年に Brown らが発表した論文 A Statistical Approach to Machine Translation(Computational Linguistics 16巻2号)で示されました。
  • 1949年に Warren Weaver が統計的手法と情報理論による機械翻訳を提案しましたが、当時のコンピュータの能力が足りなかったことなどから放棄されました。
  • 1990年の論文は、コンピュータが速くなり、大規模な機械可読コーパスが使えるようになったことを、統計的手法を再び試す理由に挙げています。

最終更新日: 2026/09/23