G検定(ジェネラリスト検定)
いぷしろんぐりーでぃーほうさく
ε-greedy 方策
Epsilon-greedy Policy
ε-greedy方策は、ほとんどの場合は推定値がいちばん大きい行動を選び、小さい確率εのときだけ、すべての行動から等確率でランダムに行動を選ぶ行動選択の方法です。
詳しい説明
ほとんどは貪欲に、確率εでランダムに選ぶ
ε-greedy方策(ε-greedy法)は、強化学習で行動を選ぶときの単純な方法です。Sutton & Barto の教科書 Reinforcement Learning: An Introduction 第2版(2018年)の第2章§2.2では、次のように説明されています。
ほとんどの場合は貪欲に行動します。つまり、各行動の価値の推定値Qt(a)を比べて、推定値が最大の行動を選びます。ただし、ときどき小さい確率εで、推定値とは無関係に、すべての行動の中から等確率でランダムに1つを選びます。教科書では、このようにほぼ貪欲な行動選択の規則を使う方法をε-greedy法と呼んでいます。
貪欲な行動選択とε-greedyの違い
貪欲な行動選択は、式で書くと At = argmax_a Qt(a) です(教科書の式2.2)。時刻tで、推定値Qt(a)が最大になる行動aを行動Atとして選びます。
ε-greedy方策は次の2つの場合を組み合わせます。
- 確率 1 - ε で、貪欲な行動 At = argmax_a Qt(a) を選ぶ
- 確率 ε で、すべての行動から等確率でランダムに1つを選ぶ
2つ目の場合、ランダムに選ぶ候補には貪欲な行動自身も含まれます。そのため、貪欲な行動が選ばれる確率は 1 - ε ちょうどではなく、それより少し大きくなります。
数値例: 2つの行動でε=0.5のとき
教科書の章末の演習問題(Exercise 2.1)には、2つの行動でε=0.5のとき、貪欲な行動が選ばれる確率はいくらか、という設問があります。上の2つの場合に分けて計算します。
行動を a1 と a2 の2つとし、推定値が大きいほうの a1 が貪欲な行動だとします。
1. 貪欲に選ぶ場合: 確率 1 - ε = 1 - 0.5 = 0.5 で a1 が選ばれます。
2. ランダムに選ぶ場合: 確率 ε = 0.5 でこちらになり、2つの行動から等確率で選ぶので、a1 が選ばれる確率は 0.5 × 1/2 = 0.25 です。
したがって、貪欲な行動 a1 が選ばれる確率は 0.5 + 0.25 = 0.75 です。
もう一方の a2 が選ばれるのはランダムに選ぶ場合だけなので、確率は 0.5 × 1/2 = 0.25 です。合計は 0.75 + 0.25 = 1 になります。
同じ考え方で、行動がk個あるときは次のようになります。
- 貪欲な行動が選ばれる確率: (1 - ε) + ε / k
- それ以外の各行動が選ばれる確率: ε / k
k = 2、ε = 0.5 を入れると、(1 - 0.5) + 0.5 / 2 = 0.75 となり、上の計算と一致します。
収束の保証と、その限界
ε-greedy法では、ステップ数が増えるにつれて、すべての行動が無限回選ばれるようになります。そのため、すべての推定値Qt(a)が、それぞれの行動の真の価値q*(a)に収束することが保証されます。つまり、最適な行動を選ぶ確率は 1 - ε より大きい値に収束し、ほぼ確実になります。
ただし教科書は、これはあくまで漸近的な保証であり、実際の有効性についてはあまり多くを語らない、とも述べています。ステップ数を増やしていった極限での性質であり、有限のステップ数でどれだけ役立つかまでは言っていません。
UCB方策との関係
G検定シラバス2024の中項目9 強化学習のキーワードには、ε-greedy方策が、バンディットアルゴリズムやUCB方策などと並んで挙げられています。ε-greedy方策は、推定値と無関係に等確率でランダムに行動を選ぶ方法です。行動の選び方(探索の仕方)が異なる別の手法として、UCB方策があります。
試験で問われること
G検定
- ε-greedy方策は、ほとんどの場合は推定値Qt(a)が最大の行動を選び(At = argmax_a Qt(a))、小さい確率εで、推定値と無関係に、すべての行動から等確率でランダムに行動を選ぶ方法です。
- ランダムに選ぶ候補には貪欲な行動自身も含まれるため、行動がk個あるとき、貪欲な行動が選ばれる確率は (1 - ε) + ε / k になり、1 - ε ちょうどではありません。
- 2つの行動でε=0.5のとき、貪欲な行動が選ばれる確率は 0.5 + 0.5 × 1/2 = 0.75、もう一方の行動が選ばれる確率は 0.25 です。
- ステップ数が増えるとすべての行動が無限回選ばれるため、すべてのQt(a)がq*(a)に収束します。最適な行動を選ぶ確率は 1 - ε より大きい値に収束します。
- 上の収束はあくまで漸近的な保証で、実際の有効性についてはあまり多くを語らない、と教科書は説明しています。
- G検定シラバス2024では、中項目9 強化学習のキーワードとして、バンディットアルゴリズムやUCB方策と並んで挙げられています。UCB方策は、行動の選び方が異なる別の手法です。
最終更新日: 2026/09/23