税額控除
税額から直接差し引く税額控除の仕組みと、配当控除・住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の要件を説明できるようになります。
ねらい
算出した税額から直接差し引く税額控除を学びます。このレッスンを終えると、所得控除との効き方の違い、配当控除と住宅ローン控除それぞれの要件と手続を説明できるようになります。
ストーリー
フリーランスの青木さんは、来年、自宅を購入しようと考えています。不動産会社の広告には「住宅ローン控除で税金が戻る」とあります。「所得控除と何が違うのだろう。いくら戻るのだろう」。所得控除のレッスンで学んだ「税率を掛ける前に引く」と、これから学ぶ「税率を掛けた後に引く」の違いから始めましょう。
税額控除の効き方
税額控除は、課税所得に税率を掛けて算出した所得税額から、直接差し引く控除です。
- 所得控除は所得から引くため、節税の効果は「控除額×税率」です。
- 税額控除は税額から引くため、控除額がそのまま税額を減らします。
ポイント
同じ10万円の控除なら、税額控除のほうが効果は大きいという関係です。
配当控除
国内株式の配当には、法人税が課された後の利益から支払われるため、個人の所得税と合わせると二重課税になるという問題があります。これを調整するのが配当控除です。
- 適用を受けられるのは、配当所得について総合課税を選択して確定申告をした場合だけです。申告不要や申告分離課税を選んだ場合は受けられません。
- 控除額は、原則として**配当所得の金額の10%**です(課税総所得金額等が1,000万円を超える部分は5%)。
- 上場不動産投資信託(J-REIT)の分配金や、NISA口座の配当(そもそも非課税)は対象外です。
第3章で学んだ配当の課税方式の選択(申告不要・総合課税・申告分離)のうち、「総合課税を選ぶ利点が配当控除」という対応で整理できます。
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
住宅ローンを利用して住宅を取得した場合に、年末のローン残高に控除率を掛けた金額を所得税額から控除できる制度です。
主な適用要件
- 返済期間10年以上の住宅ローンであること。
- 取得した住宅の床面積が原則50平方メートル以上で、床面積の2分の1以上が自己の居住用であること。
- 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること。
- 取得の日から6か月以内に入居し、控除を受ける年の年末まで引き続き住んでいること。
控除額と手続
控除額は、年末のローン残高(住宅の性能や入居年に応じた限度額まで)に控除率0.7%を掛けた金額です。控除期間は新築住宅で原則13年です。所得税から控除しきれない分は、翌年の住民税から一部控除されます。
手続は、適用を受ける最初の年分は確定申告が必要です。給与所得者は、2年目以降は年末調整で控除を受けられます。
注意
「1年目だけは確定申告」という手続の区別が、試験の定番です。
例題
次の記述が適切か、不適切かを考えてみましょう。
上場株式の配当について申告分離課税を選択して確定申告をした場合、配当控除の適用を受けることができる。
答え合わせ
不適切です。配当控除の適用を受けられるのは、総合課税を選択して確定申告をした場合だけです。申告分離課税を選ぶと、上場株式の譲渡損失との損益通算はできますが、配当控除は受けられません。課税方式の選択と受けられる利点の対応関係を整理しておきましょう。
応用
住宅ローン控除の手続を考えてみましょう。
会社員のIさんは、今年住宅ローンで新築住宅を取得して入居し、住宅ローン控除の適用を受けたい。必要な手続はどうなるか。
答え合わせ
適用を受ける最初の年分は、給与所得者であっても確定申告が必要です。2年目以降は、勤務先の年末調整で控除を受けられます。医療費控除が毎年確定申告を要するのと違い、住宅ローン控除は「1年目だけ確定申告」という点が比較で問われやすいポイントです。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 個人事業税の事業主控除の金額の選択解く
- 個人事業税と青色申告特別控除に関する正誤判定解く
- 個人住民税の課税の基準日の選択解く
- 個人住民税の所得割の税率に関する正誤判定解く
- 医療費控除と年末調整に関する正誤判定解く