わが国の税制
国税と地方税、直接税と間接税、申告納税方式と賦課課税方式という3つの軸で、税金の全体像を整理できるようになります。
ねらい
第4章では税金を学びます。最初のこのレッスンでは、日本の税制の全体像を3つの軸(誰に納めるか・誰が負担するか・誰が税額を決めるか)で整理し、続くレッスンで学ぶ所得税の位置づけをつかみます。
ストーリー
第4章の主人公は、フリーランスのデザイナーとして独立したばかりの青木さんです。会社員のころは年末調整だけで済んでいた税金と、確定申告で初めて正面から向き合うことになりました。所得税・住民税・事業税・消費税。請求書や納付書に並ぶ税金の名前を前に、まず地図を持つことから始めましょう。
軸1: 国税と地方税(誰に納めるか)
税金は、納める先によって国税と地方税に分かれます。
| 区分 | 主な税金 |
|---|---|
| 国税 | 所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税 |
| 地方税 | 住民税、事業税、固定資産税、都市計画税、不動産取得税 |
青木さんが確定申告で納めるのは国税の所得税で、その申告内容をもとに市区町村が住民税(地方税)を計算します。
軸2: 直接税と間接税(誰が負担するか)
税金を納める人(納税者)と、実際に負担する人(担税者)が同じか違うかによる分類です。
- 直接税は、納める人と負担する人が同じ税金です。所得税・住民税・法人税・相続税・贈与税が代表です。
- 間接税は、納める人と負担する人が異なる税金です。代表が消費税で、負担するのは買い物をした消費者ですが、納めるのは事業者です。酒税やたばこ税も間接税です。
軸3: 申告納税方式と賦課課税方式(誰が税額を決めるか)
- 申告納税方式は、納税者が自分で税額を計算して申告し、納める方式です。所得税・法人税・相続税・贈与税など、国税の多くがこの方式です。
- 賦課課税方式は、国や地方公共団体が税額を計算して納税者に通知する方式です。住民税や固定資産税など、地方税に多い方式です。
ポイント
青木さんの所得税が申告納税方式(自分で計算して確定申告)、その後に届く住民税の納付書が賦課課税方式(市区町村が計算)という関係です。
税率の構造
税額の決まり方にも型があります。
- 超過累進税率は、所得や財産が多いほど、一定額を超えた部分に段階的に高い税率がかかる仕組みです。所得税・相続税・贈与税で採用されています。
- 比例税率は、金額にかかわらず一律の税率がかかる仕組みです。住民税の所得割(一律10%)や消費税が代表です。
注意
超過累進税率では、高い税率がかかるのはあくまで「一定額を超えた部分」だけです。所得が増えて税率の段階が上がっても、所得全体に高い税率がかかるわけではありません。
例題
次の記述が適切か、不適切かを考えてみましょう。
消費税は、税金を納める者と実際に税金を負担する者が異なる間接税である。
答え合わせ
適切です。消費税を負担するのは消費者ですが、それを預かって納めるのは事業者です。このように納税者と担税者が異なる税金を間接税といいます。所得税や住民税のように、納める人と負担する人が同じ税金は直接税です。
応用
税額の決まり方を考えてみましょう。
所得税と住民税では、税額を計算して確定させるのは誰か。それぞれの方式の名前とあわせて答えてみましょう。
答え合わせ
所得税は納税者自身が計算して申告する申告納税方式、住民税は市区町村が計算して通知する賦課課税方式です。フリーランスの青木さんの場合、所得税の確定申告を自分で行うと、その情報をもとに市区町村が住民税額を計算し、後日納付書が届きます。「自分で計算するのが国税に多く、計算してもらうのが地方税に多い」という対応で覚えましょう。
分からなかった点・気になった点
読み込み中です。
この章の問題を解く
章のまとめへ- 個人事業税の事業主控除の金額の選択解く
- 個人事業税と青色申告特別控除に関する正誤判定解く
- 個人住民税の課税の基準日の選択解く
- 個人住民税の所得割の税率に関する正誤判定解く
- 医療費控除と年末調整に関する正誤判定解く