個人住民税
個人住民税の1月1日基準・前年所得課税・所得割10%と均等割、普通徴収と特別徴収、所得税との違いを説明できるようになります。
ねらい
所得税とセットで家計に関わる個人住民税を学びます。このレッスンを終えると、誰がどこに納めるのか(1月1日基準)、税額の構成(均等割と所得割)、納め方(普通徴収と特別徴収)、所得税との違いを説明できるようになります。
ストーリー
フリーランスの青木さんは、3月に確定申告を済ませてひと安心していたところ、6月に市役所から「住民税の納税通知書」が届きました。金額を見て驚きます。「所得税はもう納めたのに、また税金か。しかもこれは去年の所得の分らしい」。住民税は所得税と似ていますが、時間差と決まり方に独特のルールがあります。
納税義務者と1月1日基準
個人住民税(道府県民税と市町村民税)は、その年の1月1日現在の住所地の都道府県・市区町村が、前年の所得などに対して課税します。
注意
1月1日基準は徹底していて、たとえば1月2日に他の市へ引っ越しても、その年の住民税は1月1日時点で住んでいた市に全額納めます。また、前年に所得があっても、1月1日より前に亡くなった人には住民税は課されません。
税額の構成
個人住民税は、2つの部分でできています。
- 均等割は、所得の多少にかかわらず定額で課される部分です。
- 所得割は、前年の所得に応じて課される部分で、税率は一律10%(道府県民税4%と市町村民税6%)の比例税率です。
このほか、預貯金の利子に課される利子割、上場株式の配当に課される配当割、株式の譲渡益に課される株式等譲渡所得割(いずれも5%)があります。第3章で学んだ金融商品の税率20.315%のうち、住民税5%がこれらにあたります。
納付の方法
住民税は賦課課税方式で、市区町村が税額を計算して通知します。納め方は2つあります。
| 方法 | 対象 | 納め方 |
|---|---|---|
| 普通徴収 | 自営業者・フリーランスなど | 納税通知書により、原則として年4回に分けて自分で納付する |
| 特別徴収 | 給与所得者 | 6月から翌年5月までの12回に分けて、給与から天引きされる |
ポイント
給与所得者の住民税が6月から新しい年度の額に変わるのは、前年の所得をもとに5月ごろ税額が決まり、6月から特別徴収が始まるためです。
所得税との違い
| 項目 | 所得税 | 個人住民税 |
|---|---|---|
| 課税する主体 | 国(国税) | 都道府県・市区町村(地方税) |
| 対象の所得 | その年の所得(現年課税) | 前年の所得(前年所得課税) |
| 税額の決め方 | 申告納税方式 | 賦課課税方式 |
| 所得割の税率 | 超過累進税率(5%から45%) | 一律10%の比例税率 |
所得控除の種類は所得税とおおむね共通ですが、控除額は住民税のほうが低く設定されているものがあります(基礎控除や生命保険料控除など)。青木さんに6月に届いた通知書は、「前年の所得に対して、市が計算した税額を6月から納める」という住民税の特徴がそのまま表れたものです。
例題
次の記述が適切か、不適切かを考えてみましょう。
個人住民税は、その年の4月1日現在の住所地の都道府県および市区町村が課税する。
答え合わせ
不適切です。個人住民税の基準日は1月1日です。その年の1月1日現在の住所地の地方公共団体が、前年の所得に対して課税します。年度の始まりである4月1日と混同させるのが定番のひっかけです。
応用
住民税の時間差を考えてみましょう。
会社員のKさんは、今年3月に会社を退職し、しばらく無収入で過ごす予定である。今年6月以降の住民税はどうなるか。
答え合わせ
前年の所得に対する住民税を納める必要があります。住民税は前年所得課税のため、今年の収入がなくても、前年に所得があれば6月以降に納税通知書が届きます(退職により特別徴収ができなくなった分は普通徴収に切り替わります)。退職の翌年に住民税の負担が重く感じられるのはこの仕組みのためで、ライフプランニング上も知っておきたいポイントです。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 個人事業税の事業主控除の金額の選択解く
- 個人事業税と青色申告特別控除に関する正誤判定解く
- 個人住民税の課税の基準日の選択解く
- 個人住民税の所得割の税率に関する正誤判定解く
- 医療費控除と年末調整に関する正誤判定解く