金融派生商品
デリバティブ取引の3つの型(先物・オプション・スワップ)と、コール・プットやプレミアムの基本を説明できるようになります。
ねらい
デリバティブ(金融派生商品)の概略を学びます。このレッスンを終えると、先物・オプション・スワップという3つの型の違いと、オプションのコール・プット、プレミアムの性質を説明できるようになります。3級の細目では概略の知識とされている論点なので、型の区別を確実にすることがゴールです。
ストーリー
小林さんは、投資信託の説明書で「為替ヘッジあり」という言葉を見つけました。調べると、ヘッジには先物やオプションといったデリバティブが使われているようです。「デリバティブは怖いもの、というイメージがあるけれど、そもそも何をする取引なのだろう」。
デリバティブとは
デリバティブは、株式・債券・金利・通貨・商品といった原資産の価格から派生して価値が決まる取引の総称です。将来の価格変動リスクを避けるヘッジのほか、価格変動から利益を狙う投機にも使われます。代表的な型は次の3つです。
先物取引
将来の決められた時期に、あらかじめ決めた価格で原資産を売買することを約束する取引です。たとえば、3か月後に決められた価格で買うと約束すれば、その間に価格がどれだけ上がっても約束した価格で買えます。買う側も売る側も、約束を履行する義務を負います。
保有する株式の値下がりに備えて先物を売っておくというように、現物と反対の建玉でリスクを打ち消す使い方がヘッジです。
オプション取引
オプションは、原資産をあらかじめ決めた価格(権利行使価格)で「買う権利」または「売る権利」を売買する取引です。
- 買う権利をコール・オプション、売る権利をプット・オプションといいます。
- 権利の買い手は、売り手にプレミアム(オプション料)を支払います。
- 買い手は権利を行使するかどうかを自由に選べます。不利なら権利を放棄すればよいため、買い手の損失は支払ったプレミアムに限定されます。
- 売り手はプレミアムを受け取る代わりに、買い手が権利を行使したら応じる義務を負います。売り手の損失は限定されません。
プレミアムの水準は市場で決まりますが、他の条件が同じであれば、満期までの残存期間が長いほどプレミアムは高くなります。期間が長いほど価格が大きく動く可能性があるからです。
ポイント
先物との違いは「義務か権利か」です。先物は双方が義務を負うのに対し、オプションの買い手は権利だけを持ちます。
スワップ取引
将来のお金の流れ(キャッシュフロー)を交換する取引です。代表的なものに、同じ通貨の固定金利と変動金利を交換する金利スワップ、異なる通貨の元利金を交換する通貨スワップがあります。変動金利の借入れをしている企業が、金利上昇に備えて固定金利との交換を行う、といった使い方をします。
3つの型の整理
| 型 | 内容 | 当事者の立場 |
|---|---|---|
| 先物 | 将来の売買をあらかじめ決めた価格で約束する | 双方が義務を負う |
| オプション | 買う権利(コール)・売る権利(プット)を売買する | 買い手は権利、売り手は義務 |
| スワップ | 金利や通貨のキャッシュフローを交換する | 双方が交換の義務を負う |
例題
次の記述が適切か、不適切かを考えてみましょう。
オプション取引において、権利の買い手の損失は、支払ったプレミアム(オプション料)の額に限定される。
答え合わせ
適切です。買い手は不利な状況では権利を放棄できるため、最大の損失は支払ったプレミアムにとどまります。反対に、売り手は権利行使に応じる義務を負うため、損失は限定されません。買い手と売り手で損益の構造が非対称である点が、オプションの核心です。
応用
コールとプットの区別を考えてみましょう。
原資産を権利行使価格で「売る権利」を取引するオプションはどちらか。また、この権利の買い手は、原資産の価格がどう動くと利益を得やすいか。
答え合わせ
プット・オプションです。売る権利であるプットの買い手は、原資産の価格が権利行使価格を大きく下回るほど、高い価格で売れる権利の価値が増すため、価格の下落局面で利益を得やすくなります。反対に、買う権利であるコールの買い手は、価格の上昇局面で利益を得やすくなります。「コールは買う権利・プットは売る権利」という対応を確実に覚えましょう。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 原資産を買う権利のオプションの選択解く
- オプションの買い手の最大損失に関する正誤判定解く
- 外貨預金と預金保険制度に関する正誤判定解く
- 外貨預金の預入れ時に適用される為替レートの選択解く
- 変額保険の解約返戻金の最低保証に関する正誤判定解く