保険商品
貯蓄型保険(養老・こども・個人年金)と変額保険について、運用商品としてのメリットとリスクの観点から説明できるようになります。
ねらい
保険を「運用商品」の観点から学びます。このレッスンを終えると、貯蓄型保険と変額保険の仕組み、預貯金や投資信託と比べたときのメリットとリスクを説明できるようになります。保障の仕組みそのものは第2章の生命保険のレッスンで学んだので、ここでは資産運用の道具としての性質に絞ります。
ストーリー
小林さんは、貯蓄の一部を「保障も付いてお金も貯まる」という保険で持つべきか迷っています。銀行の窓口では一時払いの終身保険が、保険ショップでは「運用実績で保険金が増える」変額保険が勧められました。「保険で貯めるのと、預金や投資信託で貯めるのは、何が違うのだろう」。
貯蓄型保険
保障に加えて満期金や解約返戻金の形でお金が戻る性質の強い保険は、貯蓄型保険と呼ばれます。
- 養老保険は、保険期間内に死亡したら死亡保険金、満期まで生存したら同額の満期保険金を受け取れる、貯蓄性の高い保険です。
- こども保険(学資保険)は、子どもの進学時期に合わせて祝金や満期保険金を受け取る保険です。契約者である親が死亡した場合、一般に以後の保険料の払込みは免除され、祝金や満期保険金は契約どおり受け取れます。この保障の部分が、純粋な積立てとの大きな違いです。
- 個人年金保険は、老後に年金を受け取るための保険です(受取期間による終身・有期・確定の分類は第1章で学びました)。
保険料の一部は保障の費用に充てられるため、同じ金額を積み立てる場合でも、貯蓄部分だけを取り出すと預貯金より効率が下がることがあります。とくに、契約から短い期間で中途解約すると、解約返戻金が払込保険料の総額を下回る(元本割れする)ことが多い点は、預貯金との大きな違いです。
変額保険
変額保険は、保険料が特別勘定と呼ばれる勘定で株式や債券により運用され、その運用実績によって保険金額や解約返戻金が増減する保険です。保険の形をした投資性商品といえます。
- 死亡保険金には基本保険金額の最低保証があり、運用が不調でも基本保険金額を下回りません。
- 解約返戻金と満期保険金には最低保証がなく、運用実績によっては払込保険料を大きく下回ることがあります。
「死亡保険金には最低保証がある。解約返戻金にはない」という非対称が、試験の定番論点です。
ポイント
運用リスクを契約者が負う構造は、確定拠出年金や投資信託と共通です。
保険で運用するメリットとリスク
預貯金・投資信託と比べたときの特徴を整理します。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 保障と貯蓄を1つの契約で両立できる。火災保険などに支払う掛け金は生命保険料控除の対象になる。契約者貸付など資金化の手段もある |
| リスク・注意点 | 中途解約による元本割れ。固定利率の長期契約はインフレに弱い。変額保険は運用リスクを契約者が負う |
| 破綻時の保護 | 保険会社が破綻した場合の保護は保険契約者保護機構(原則として責任準備金等の90%まで)。預金保険制度の対象ではない |
第2章で学んだ保険料の仕組み(3つの予定基礎率)や剰余金・配当金の仕組みは、貯蓄型保険にもそのまま当てはまります。予定利率が高い時期の契約ほど貯蓄性が高い、という関係も思い出しておきましょう。
例題
次の記述が適切か、不適切かを考えてみましょう。
変額保険では、運用実績にかかわらず、死亡保険金については基本保険金額が最低保証されている。
答え合わせ
適切です。変額保険の死亡保険金には基本保険金額の最低保証があります。一方で、解約返戻金や満期保険金には最低保証がなく、運用実績によっては払込保険料を下回ります。「どの保険金に最低保証があるか」の区別が問われる定番論点です。
応用
こども保険の保障の性質を考えてみましょう。
こども保険(学資保険)の契約者である父親が、保険期間の途中で死亡した。この契約はどうなるか。
答え合わせ
一般に、以後の保険料の払込みが免除されたうえで契約は継続し、進学時の祝金や満期保険金は契約どおり受け取れます。親に万一のことがあっても教育資金の準備が続くという保障機能が、預貯金や投資信託による積立てとの本質的な違いです。この機能があるぶん、保険料の一部は保障の費用に充てられています。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 原資産を買う権利のオプションの選択解く
- オプションの買い手の最大損失に関する正誤判定解く
- 外貨預金と預金保険制度に関する正誤判定解く
- 外貨預金の預入れ時に適用される為替レートの選択解く
- 変額保険の解約返戻金の最低保証に関する正誤判定解く