外貨建商品
TTSとTTBの使い分け、為替差損益の仕組み、外貨預金と外貨建MMFの特徴を説明できるようになります。
ねらい
外貨で運用する商品を学びます。このレッスンを終えると、為替レート(TTS・TTB)の使い分け、円高・円安と為替差損益の関係、外貨預金と外貨建MMFの特徴を説明できるようになります。
ストーリー
小林さんは、銀行のアプリで「米ドル定期預金 金利4%」という表示を見つけました。円の定期預金よりはるかに高い金利です。「これは預けるしかない」と思いましたが、よく見ると「為替相場の変動により元本割れとなるおそれがあります」という注意書きがあります。高い金利のからくりと、円に戻すまでのリスクを整理しましょう。
為替レートの使い分け(TTS・TTB)
円と外貨を交換するレートは、方向によって異なります。基準になるのが仲値(TTM)で、そこに銀行の為替手数料が上乗せ・差し引きされます。
| レート | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| TTS | 銀行が顧客に外貨を売るレート(TTMに手数料を加えた値) | 顧客が円を外貨に換えるとき(預入れ時) |
| TTB | 銀行が顧客から外貨を買うレート(TTMから手数料を引いた値) | 顧客が外貨を円に戻すとき(払戻し時) |
SはSelling、BはBuyingで、いずれも銀行から見た売り買いです。顧客から見ると逆になるので、「銀行が主語」と覚えるのがこつです。
ポイント
往復すると手数料の分だけ目減りするため、金利が高くても手数料と為替しだいで円ベースの受取りは減ることがあります。
円高・円安と為替差損益
外貨建商品の円ベースの価値は、為替相場で変わります。
- 預入れ後に円安(例: 1ドル140円から150円)になると、同じドルがより多くの円に換えられるため、為替差益が生じます。
- 預入れ後に円高(例: 1ドル140円から130円)になると、円に戻したときの金額が減り、為替差損が生じます。円高が進めば、外貨での利息を含めても円ベースで元本割れすることがあります。
計算例で確かめましょう。1万ドルをTTS150円で預け入れると150万円が必要です。1年後、利息が付いて10,200ドルになり、TTB145円で円に戻すと147万9,000円です。ドルでは増えていても、円高と手数料の影響で円ベースでは損失になっています。
外貨預金
外貨建ての普通預金・定期預金です。仕組みは円預金と同じですが、次の点が異なります。
- 為替リスクがあり、円ベースでは元本割れの可能性があります。
- 外貨預金は預金保険制度の保護の対象外です。円の預金とは扱いが違う、試験の定番論点です。
- 外貨定期預金は、原則として中途解約できないか、解約時に不利な条件になります。
外貨建MMF
外国籍の公社債投資信託で、外貨のまま短期の公社債などで運用される商品です。特徴を外貨預金と比べて押さえましょう。
- 株式を組み入れず、比較的安全性の高い運用を行います(ただし投資信託なので元本保証はありません)。
- 購入時手数料はかからず、いつでもペナルティなしで換金できます。外貨定期預金より出し入れの自由度が高い商品です。
- 証券会社が破綻した場合も、分別管理と投資者保護基金の仕組みで保護されます(預金保険制度の対象ではありません)。
このほか、外国の株式や債券に投資する外貨建ての投資信託などもあり、いずれも商品自体の値動きに為替リスクが重なる構造は共通です。
例題
次の記述が適切か、不適切かを考えてみましょう。
国内銀行に預け入れた外貨預金は、預金保険制度による保護の対象である。
答え合わせ
不適切です。外貨預金は、国内の銀行に預けたものであっても預金保険制度の保護の対象外です。円の普通預金や定期預金が保護されるのとは異なります。「外貨預金は預金保険の対象外」は繰り返し出題される定番です。
応用
為替レートの使い分けを考えてみましょう。
円をドルに換えて外貨預金に預け入れるとき、および満期後にドルを円に戻すとき、それぞれ適用される為替レートはどれか。
答え合わせ
預入れ時はTTS、払戻し時はTTBです。TTSは銀行が顧客に外貨を売るレート、TTBは銀行が顧客から外貨を買うレートで、どちらも銀行から見た呼び名です。TTSは仲値(TTM)より高く、TTBは仲値より低いため、往復すると手数料の分だけ顧客の受取りは目減りします。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 原資産を買う権利のオプションの選択解く
- オプションの買い手の最大損失に関する正誤判定解く
- 外貨預金と預金保険制度に関する正誤判定解く
- 外貨預金の預入れ時に適用される為替レートの選択解く
- 変額保険の解約返戻金の最低保証に関する正誤判定解く