技術開発計画
技術開発投資計画や人材計画、コンカレントエンジニアリング、パイロット生産、技術ロードマップといった技術開発計画の要素を理解できるようになります。
ねらい
技術開発戦略を実行に移す計画づくりを学びます。このレッスンを終えると、技術開発計画に盛り込む要素と、未来像を時系列で描く技術ロードマップの考え方を説明できるようになります。
ストーリー
前のレッスンの研究所が再出発したとします。今度は、どの技術に、いくら、いつ投資するのか。開発拠点はどこに置き、人材をどう確保するのか。10年後の市場で製品がどう進化しているのか。思いつきではなく計画として描くことで、投資家も従業員も同じ未来を見て動けるようになります。
技術開発計画とは
技術開発計画は、経営戦略や技術開発戦略に基づいて作成します。主な要素は次のとおりです。
- 技術開発投資計画は、どの技術にどれだけ投資するかを定めます。投資対効果の検討が伴います。
- 技術開発拠点計画は、研究所や開発センターなどの拠点の配置を定めます。
- 人材計画は、技術者の確保・育成を定めます。
- これらを通じて、経営資源の最適配分を図ります。
計画の立案では、市場ニーズとの擦り合わせが欠かせません。また、開発の成果を守り活用するための知的財産権管理も計画の重要な論点です。
開発を速く確実に進める工夫
計画には、開発のリードタイムを短縮し、量産の失敗を防ぐ工夫を織り込みます。
- コンカレントエンジニアリングは、設計と製造準備などの複数の工程を並行して進め、開発期間を短縮する手法です。前の工程が完全に終わるのを待たずに次の工程に着手します。
- パイロット生産は、量産を開始する前に試験的に生産して、製造工程や品質の問題を洗い出す活動です。
技術開発のロードマップ
技術開発の具体的なシナリオとして、科学的裏付けとコンセンサスのとれた未来像を時系列で描いたものがロードマップです。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 技術ロードマップ | 技術の進展を時間軸上に描く |
| 製品応用ロードマップ | 技術がどの製品にいつ応用されるかを描く |
| 特許取得ロードマップ | どの技術の特許をいつ取得するかを描く |
3種類のロードマップは別々の紙に描くのではなく、同じ時間軸の上に重ねて描くことで、技術の進展と製品化・特許取得のタイミングを結び付けて見られるようになります。
ロードマップの価値は、関係者の合意(コンセンサス)を形にする点にあります。研究者、経営者、取引先が同じ地図を持つことで、長期の技術開発でも方向を見失わずに進めます。市場ニーズの変化に応じて定期的に見直すことも重要です。
例題
次の問いに答えてください。
問1 設計と製造準備など複数の工程を並行して進めることで、開発期間を短縮する手法を何といいますか。
問2 科学的裏付けとコンセンサスに基づいて、技術の進展や製品への応用を時系列で描いた図を何といいますか。
解答と解説
問1の答えはコンカレントエンジニアリングです。コンカレントは「同時並行」という意味です。
問2の答えはロードマップ(技術ロードマップ)です。未来像を時間軸で共有することで、長期の開発の指針になります。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 量産を開始する前に、試験的に少量の生産を行って製造工程や品質の問題を確認する活動はどれでしょうか。次の中から選んでください。
- パイロット生産
- コンカレントエンジニアリング
- PoC
- ハッカソン
解答と解説
答えは1のパイロット生産です。本格的な量産に入る前に試験的な生産を行い、製造工程の問題や品質の不具合を早期に発見します。2のコンカレントエンジニアリングは、複数の工程を並行して進めて開発期間を短縮する手法であり、試験的な生産そのものではありません。3のPoC(概念実証)は、技術やアイディアが実現可能かを検証する取組で、製造工程の確認より前の段階の活動です。4のハッカソンは、短期間に集中して試作品の開発を競うイベントであり、量産準備の活動ではありません。
分からなかった点・気になった点
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