プロジェクトの品質
品質の計画・品質保証・品質管理という3つのプロセス、是正処置と予防処置の違い、品質管理測定値の活用を理解できるようになります。
ねらい
プロジェクトの品質の守り方を学びます。このレッスンを終えると、品質の計画から品質保証・品質管理までの流れ、是正処置と予防処置の違い、測定値に基づく品質管理の考え方を説明できるようになります。
ストーリー
テスト最終週、バグの山が噴き出して納期が崩れました。ふりかえりで出た結論はこうです。「品質は、最後の検査で足すものではなく、最初から計画して作り込むもの」。急いだ設計、省いたレビュー。品質の欠如は、必ず後の工程で高くつきます。
品質の対象群のプロセス
品質の対象群は、3つのプロセスで構成されます。
- 品質の計画で、成果物が満たすべき品質要求事項を定め、それをどう確認するかを品質計画にまとめます。
- 品質保証の遂行で、定めたプロセスや標準が守られているかを確かめます。作り方が正しければ、良い成果物が生まれやすいという考え方です。
- 品質管理の遂行で、成果物そのものを検査・測定し、要求を満たすかを確かめます。結果は検査報告書にまとめます。
品質保証の対象は「作り方(プロセス)」、品質管理の対象は「作った物(成果物)」という分担で覚えましょう。
是正処置と予防処置
不具合への対処には、時間の向きが違う2つの処置があります。
- 是正処置は、発生した不具合の原因を取り除き、再発を防ぐ処置です。
- 予防処置は、まだ発生していない不具合の芽を摘み、未然に防ぐ処置です。
検査で見つけて直すだけでは、同じ原因の不具合が繰り返されます。原因までさかのぼる是正と、起きる前に手を打つ予防が、品質を段階的に高めます。不具合の発生という1つの時点を境に、予防処置はその前に、是正処置はその後に位置します。
測定値の活用
品質は感覚ではなく数字で管理します。進捗データやバグの件数などのプロジェクトにおける品質管理測定値を集め、目的に合ったデータ表現技法を選んで見えるようにします。傾向をつかめば、「テスト後半でバグが減らない」といった兆候を早く捉え、手を打てます。
例題
次の問いに答えてください。
問1 プロセスや標準が守られているかを確かめる活動と、成果物そのものを検査する活動は、それぞれ何と呼ばれますか。
問2 発生した不具合の原因を取り除き、再発を防ぐ処置を何といいますか。
解答と解説
問1の答えは、前者が品質保証、後者が品質管理です。作り方を確かめる保証と、作った物を確かめる管理という対で覚えましょう。
問2の答えは是正処置です。将来の不具合を未然に防ぐ予防処置と、時間の向きで区別します。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 品質のマネジメントにおいて、まだ発生していない不具合の原因にあらかじめ手を打ち、発生を未然に防ぐ処置はどれでしょうか。次の中から選んでください。
- 予防処置
- 是正処置
- 検査報告書
- 品質要求事項
解答と解説
答えは1の予防処置です。リスクの高い箇所のレビューを強化するなど、不具合が起きる前の対処を指します。2の是正処置は、すでに発生した不具合の原因を取り除いて再発を防ぐ処置で、対処のタイミングが事後です。3の検査報告書は品質管理の遂行の結果をまとめた文書であり、処置そのものではありません。4の品質要求事項は成果物が満たすべき品質の基準のことで、これも処置の名前ではありません。
分からなかった点・気になった点
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