マーケティング
3C分析やSTP分析、製品ライフサイクル、スキミングプライシングなどの価格戦略、SEOやA/Bテストを含むWebマーケティングの用語を理解できるようになります。
ねらい
「売れる仕組み」を作る活動を学びます。このレッスンを終えると、マーケティングの分析手法、製品・価格・流通・プロモーションの戦略、Webマーケティングの代表的な用語を説明できるようになります。
ストーリー
新しいお茶飲料を発売するとします。誰に売るのか。若者か、健康志向の中高年か。いくらで売るのか。コンビニに置くのか、ネット限定か。どう知ってもらうのか。この一つひとつの問いに答える体系が、マーケティングです。
マーケティング分析
まず市場と自社を知ることから始めます。分析の枠組みとして、顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)の3つの視点で捉える3C分析、市場を細分化(セグメンテーション)し、狙う市場を定め(ターゲティング)、自社の立ち位置を決める(ポジショニング)STP分析があります。
市場調査(マーケティングリサーチ)では、サンプリングで対象を抽出し、質問法・観察法・実験法などで情報を集めます。商品のどの属性が購買に効くかを分析するコンジョイント分析、利用者への共感から発想するデザイン思考、顧客に約束する価値を定義するバリュープロポジションといった考え方も使われます。
顧客との接点全体の体験を設計するCX(顧客体験)デザインでは、UX、顧客ロイヤルティ、購入などの成果に至った割合であるコンバージョン率、顧客が継続して利用する割合であるリテンション率が指標になります。さらに、体験を継続的に実現する組織や仕組みまで設計するサービスデザインでは、顧客の行動を時系列で描くカスタマージャーニーマップや、典型的な顧客像であるペルソナ、参加型デザイン、サービスブループリントが使われます。
製品戦略と価格戦略
製品・価格・流通・プロモーションの組合せを最適化する考え方をマーケティングミックスと呼びます(小売の品ぞろえ活動はマーチャンダイジング)。
製品戦略では、PLC(製品ライフサイクル)が基本です。製品は導入期、成長期、成熟期、衰退期をたどり、段階ごとに打つべき戦略が変わります。
関連用語として、製品の差がなくなり価格競争に陥るコモディティ化、自社製品どうしが顧客を奪い合うカニバリゼーションを押さえましょう。
価格戦略の代表的な手法は次のとおりです。
| 手法 | 内容 |
|---|---|
| スキミングプライシング | 発売直後に高価格を設定し、早期に利益を回収する |
| ペネトレーションプライシング | 低価格で一気に市場に浸透させる |
| ダイナミックプライシング | 需要と供給に応じて価格を変動させる |
| コストプラス法 | 原価に利益を上乗せして価格を決める |
継続課金で利用してもらうサブスクリプションモデルも、価格戦略の現代的な選択肢です。
流通・プロモーション・Webマーケティング
流通戦略では、フランチャイズチェーンやチャネル統合、店舗とネットなどあらゆる販売経路を一体で設計するオムニチャネルが論点です。プロモーション戦略の手段には、広告、販売促進、報道などに取り上げられるパブリシティがあります。
Webマーケティングでは次の用語が頻出です。
- リスティング広告(検索連動型広告)は検索語に応じて、ジオターゲティング広告(位置連動型広告)は位置情報に応じて表示する広告です。
- SEO(検索エンジン最適化)は検索結果の上位に表示させる工夫、LPO(ランディングページ最適化)は誘導先ページの改善です。
- CVR(顧客転換率)は訪問者のうち購入などに至った割合です。
- アフィリエイトは成果に応じて報酬を支払う成功報酬型の仕組み、レコメンデーションは利用履歴などから商品を推薦する仕組みです。
- A/Bテストは、2つの案を実際に見せ比べて効果を測る手法です。
マーケティング手法の分類としては、大衆全体に向けたマスマーケティング、顧客一人ひとりに合わせるワントゥワンマーケティング、顧客との長期的な関係を重視するリレーションシップマーケティング、消費者に直接働きかけるダイレクトマーケティング、複数メディアを組み合わせるクロスメディアマーケティング、発売前に限定地域で試す市場テスト(テストマーケティング)があります。流通業者に働きかけるプッシュ戦略と、消費者の指名買いを促すプル戦略の対比も覚えましょう。
例題
次の問いに答えてください。
問1 市場を細分化し、狙う市場を定め、自社の立ち位置を決めるという3段階で戦略を組み立てる分析手法を何といいますか。
問2 新製品の発売直後に高い価格を設定し、早期に開発費を回収する価格戦略を何といいますか。
解答と解説
問1の答えはSTP分析です。セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字です。
問2の答えはスキミングプライシングです。低価格で市場に浸透させるペネトレーションプライシングと対で覚えましょう。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 Webページの2つのデザイン案を実際の利用者にランダムに表示し、どちらがより高い成果を上げるかを比較して判断する手法はどれでしょうか。次の中から選んでください。
- A/Bテスト
- SEO
- LPO
- レコメンデーション
解答と解説
答えは1のA/Bテストです。複数の案を実際に試して、データで優劣を判断します。2のSEO(検索エンジン最適化)は、検索結果の上位に自社ページを表示させるための工夫であり、案の比較実験ではありません。3のLPO(ランディングページ最適化)は誘導先ページを改善する取組の総称で、A/BテストはLPOの中で使われる一手法という関係です。問われているのは比較実験の手法そのものなので、A/Bテストがより適切です。4のレコメンデーションは、利用履歴などを基に利用者に商品を推薦する仕組みであり、デザイン案の比較とは関係ありません。
分からなかった点・気になった点
読み込み中です。