ビジネス戦略と目標・評価
戦略目標からCSF・KGI・KPIへ落とし込む手順、MVVやビジネスモデルキャンバス、BSCの4つの視点、バリューエンジニアリングやTQMを理解できるようになります。
ねらい
戦略を「測れる目標」に変える方法を学びます。このレッスンを終えると、戦略目標の設定からCSF・指標による評価までの手順と、BSCなどの代表的な情報分析手法を説明できるようになります。
ストーリー
「顧客に選ばれる会社になる」という立派なビジョンを掲げた会社がありました。しかし1年後、何がどこまで進んだのか誰も答えられませんでした。想いを測れる形にしなければ、進んだかどうかも分かりません。戦略には、目標と評価の仕組みが必要です。
目標の設定と評価の手順
ビジネス戦略と目標の設定・評価は、次の手順で進めます。
- 企業理念、企業ビジョンを踏まえてビジネス環境分析とビジネス戦略立案を行い、具体的な戦略目標を定めます。
- 目標達成のために重点的に取り組むべきCSF(重要成功要因)を明確にします。
- 目標達成の度合いを計るための指標を設定し、評価します。最終目標の達成度を測るKGI(重要目標達成指標)と、途中経過を測るKPI(重要業績評価指標)を設定し、モニタリングを続けます。
戦略目標という抽象的な方針が、CSFという焦点に絞られ、KGI・KPIという測れる指標にまで具体化されていく、という段階の流れで捉えましょう。
土台となる企業の軸をミッション(使命)、ビジョン(目指す姿)、バリュー(価値観)の3つで表したものがMVVです。また、事業の構造を顧客、提供価値、収益の流れなど9つの要素で1枚に整理するビジネスモデルキャンバスも、戦略立案の道具として使われます。
冒頭の会社であれば、「顧客に選ばれる」というビジョンから、たとえば「既存顧客の継続率」をCSFと捉え、KGIを「年間解約率5%未満」、KPIを「月次の顧客満足度調査の回答スコア」のように具体化していきます。
目標設定・評価のための手法
代表的な情報分析手法を押さえましょう。
| 手法 | 内容 |
|---|---|
| BSC(バランススコアカード) | 財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長の4つの視点で戦略目標と指標を体系化する |
| ニーズ・ウォンツ分析 | 顧客の必要(ニーズ)と欲求(ウォンツ)を分けて捉える |
| 競合分析 | 競合他社の強み・弱みを分析する |
| バリューエンジニアリング | 機能とコストの比で価値を捉え、価値を最大化する |
| シックスシグマ | 統計的手法でばらつきを減らし、品質を改善する |
| TQM(総合的品質管理) | 全社的な活動として品質の向上に取り組む |
BSCの特徴は、財務の数字だけでなく、顧客・内部プロセス・学習と成長という先行的な視点をあわせて評価する点です。財務は過去の結果であり、残りの3つの視点が将来の財務をつくる、という因果の連鎖で戦略を描きます。
例題
次の問いに答えてください。
問1 目標達成のために重点的に取り組むべき要因を明確にする考え方を何といいますか。
問2 財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長の4つの視点で戦略目標と指標を体系化する手法を何といいますか。
解答と解説
問1の答えはCSF(重要成功要因)です。戦略目標とKGI・KPIの間をつなぐ、「何に集中するか」の定義です。
問2の答えはBSC(バランススコアカード)です。財務以外の視点を含めてバランスよく評価することが名前の由来です。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 製品やサービスの価値を「機能をコストで割ったもの」と捉え、機能の向上やコストの低減によって価値を最大化しようとする手法はどれでしょうか。次の中から選んでください。
- バリューエンジニアリング
- シックスシグマ
- TQM
- ベンチマーキング
解答と解説
答えは1のバリューエンジニアリングです。価値を機能とコストの関係で捉え、同じ機能をより低いコストで、又は同じコストでより高い機能を実現することを目指します。2のシックスシグマは、統計的手法で品質のばらつきを減らす改善活動であり、機能とコストの比に着目する手法ではありません。3のTQM(総合的品質管理)は全社的に品質向上へ取り組む経営活動の枠組みです。4のベンチマーキングは、優れた他社の事例と自社を比較して改善する手法であり、機能とコストの分析そのものではありません。
分からなかった点・気になった点
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