経営管理システム
ERP・SCM・CRM・SFA・ナレッジマネジメント・企業内情報ポータルといった代表的な経営管理システムの目的と対象範囲を区別できるようになります。
ねらい
経営戦略を支えるシステムの全体像を学びます。このレッスンを終えると、代表的な経営管理システムがそれぞれ「何を」「どの範囲で」管理するのかを区別して説明できるようになります。
ストーリー
ある製造業の会社では、販売は販売のシステム、在庫は在庫のシステム、会計は会計のシステムと、業務ごとにシステムが分かれていました。月末になると各システムの数字を突き合わせる作業に追われ、経営者が「今の会社全体の状況」を知るには1週間かかりました。経営管理システムは、この分断を解消するための仕組みです。
経営管理システムの全体像
経営管理システムには、全社を対象としたシステムと、特定の部門を対象としたシステムがあります。経営戦略の実現のために、経営者の意思決定支援を行うシステムや、事業活動の統合管理を行うシステムが使われます。代表的なものを整理しましょう。
| システム | 名称 | 管理の対象 |
|---|---|---|
| ERP | 企業資源計画 | 販売・生産・会計・人事など企業全体の資源を統合管理する |
| SCM | サプライチェーンマネジメント | 調達から販売までの供給の連鎖を企業をまたいで管理する |
| CRM | 顧客関係管理 | 顧客との関係・接点の情報を管理し関係を深める |
| SFA | 営業支援 | 商談の進捗や訪問記録など営業活動を支援する |
| KM | ナレッジマネジメント | 個人の知識や経験を組織の知識として共有・活用する |
| EIP | 企業内情報ポータル | 社内の情報やシステムへの入口を1つの画面に集約する |
使い分けの考え方
覚えるコツは、管理する対象と範囲に着目することです。
- ERPは社内の資源全体を1つのシステムに統合します。冒頭の会社の「システムの分断」を解消する代表的な答えがERPです。
- SCMは社内にとどまらず、部品の調達先から販売店まで、企業間の供給の流れ全体を最適化します。
- CRMとSFAはどちらも顧客に向き合うシステムですが、CRMが顧客との関係全体を対象とするのに対し、SFAは営業活動という業務に焦点を当てます。
- KM(ナレッジマネジメント)は、ベテランのノウハウのような暗黙の知識について、組織で共有できる形にして活用する取組です。
- 企業内情報ポータル(EIP)は、社員が必要な情報やシステムにたどり着くための統合された入口です。
こうして並べると、扱う範囲は企業をまたぐSCMが最も広く、自社全体を管理するERP、顧客との関係を管理するCRM、営業活動という業務に絞ったSFAの順に狭くなっていきます。
例題
次の問いに答えてください。
問1 販売・生産・会計・人事など、企業全体の経営資源を統合的に管理するシステムを何といいますか。
問2 個人がもつ知識や経験を組織全体の知識として共有し、活用する経営手法を何といいますか。
解答と解説
問1の答えはERP(企業資源計画)です。業務ごとに分断されたシステムを統合し、経営状況を一元的に把握できるようにします。
問2の答えはKM(ナレッジマネジメント)です。属人化したノウハウを組織の資産に変えます。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 部品の調達から製造、物流、販売までの一連の流れについて、企業の枠を越えて統合的に管理し、全体の最適化を図るシステムはどれでしょうか。次の中から選んでください。
- SCM
- ERP
- CRM
- EIP
解答と解説
答えは1のSCM(サプライチェーンマネジメント)です。供給の連鎖(サプライチェーン)を企業をまたいで管理し、在庫の削減や納期の短縮など全体の最適化を図ります。2のERPは自社内の経営資源の統合管理が対象であり、企業の枠を越えた供給の流れの管理はSCMの領域です。3のCRM(顧客関係管理)は顧客との関係の管理が対象で、調達や物流の管理ではありません。4のEIP(企業内情報ポータル)は社内の情報への入口を集約する仕組みであり、供給の流れを管理するシステムではありません。
分からなかった点・気になった点
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