開発環境管理
ステージング環境などの開発環境構築、設計データとツールの管理、ライセンスの棚卸という開発環境管理の要点を理解できるようになります。
ねらい
開発を支える環境の管理を学びます。このレッスンを終えると、開発環境構築で準備するもの、設計データやツールを管理する理由、ライセンス管理の実務を説明できるようになります。
ストーリー
「私のパソコンでは動いたのに、本番では動かない」。開発の現場で繰り返されてきたこの悲劇の原因は、環境の違いです。開発者ごとにツールのバージョンが違い、テスト環境と本番環境の構成が違う。環境を意図して管理することが、品質の隠れた土台です。
開発環境構築
効率的な開発のために、開発用のハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、シミュレーターなどの開発ツールを開発要件に合わせて準備します。準備する対象は構成品目として整理し、使用するソフトウェアライセンスも確保します。
環境は用途で分けます。特に、本番環境とほぼ同じ構成で動作をリリース前に最終確認する環境をステージング環境といいます。開発環境で動いても、本番相当の環境で確かめなければ安心できません。開発環境からステージング環境を経て本番環境へと進む流れの中で、ステージング環境だけが本番と構成をそろえた検問の役割を持ちます。
管理対象
開発環境稼働状況管理
コンピュータ資源や開発支援ツールの稼働状況を把握し、資源管理と運用管理を行います。ビルドに使うサーバが混み合えば開発全体が待たされるため、資源の状況の見える化が効率を左右します。
設計データ管理
設計に関わるデータは、更新履歴管理でバージョンを追い、リポジトリでプロジェクト全体に共有し、検索できるように整理します。企業機密や個人情報が含まれるデータは、アクセス権管理によって、誰がいつ何の目的で利用したのかを追跡でき、不適切な持出しや改ざんがないかを厳重に管理します。
ツール管理
多数の人が開発に携わると、使うツールやバージョンの違いから、作成したソフトウェアの互換性の問題が生じるおそれがあります。また、ツールに起因するバグやセキュリティホールが、開発対象の信頼性に影響することもあります。使用するツールとバージョンを統一し、構成品目としてバージョン管理することが必要です。
ライセンス管理
ライセンス条項に違反した利用は不正利用であり、法的処罰の対象になります。前のレッスンで学んだとおり、インストール数と保有ライセンス数を定期的に照合する棚卸を行い、不正コピーが生じない運用を保ちます。
例題
次の問いに答えてください。
問1 本番環境とほぼ同じ構成を持ち、リリース前の最終確認に使う環境を何といいますか。
問2 開発チームでツールのバージョンがばらばらだと、どのような問題が起こりえますか。
解答と解説
問1の答えはステージング環境です。開発環境では見つからない、本番構成に依存する問題を出荷前に捕まえます。
問2の答えは、作成したソフトウェアの互換性の問題です。ツール起因のバグやセキュリティホールが混入するおそれもあるため、ツールとバージョンの統一が必要です。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 開発環境管理に関する記述のうち、適切なものはどれでしょうか。次の中から選んでください。
- 設計データのうち企業機密を含むものは、利用の記録を追跡できるようにアクセス権を管理する
- 開発ツールは、開発者それぞれが使い慣れたバージョンを自由に使うことが望ましい
- 保有ライセンス数を超えたインストールも、開発期間中に限れば問題ない
- ステージング環境は、本番環境とは大きく異なる構成にしておくことが望ましい
解答と解説
答えは1です。企業機密や個人情報を含む設計データは、誰がいつ何の目的で利用したのかを追跡できるように、アクセス権管理と更新履歴管理を行います。2は誤りです。ツールやバージョンの不統一は互換性の問題や信頼性への影響を生むため、統一して管理します。3は誤りです。ライセンス条項に違反した利用は期間にかかわらず不正利用であり、法的処罰の対象になりえます。4は誤りです。ステージング環境の価値は本番環境とほぼ同じ構成であることにあり、構成が異なれば最終確認の意味が薄れます。
分からなかった点・気になった点
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