構成管理・変更管理
構成識別体系とSBOM、構成状況の記録、完全性の保証、リリース管理というソフトウェアの構成管理・変更管理を理解できるようになります。
ねらい
ソフトウェアの「今の姿」を管理する方法を学びます。このレッスンを終えると、構成管理が確立する構成識別体系、変更管理で記録すること、リリース管理と出荷の手続を説明できるようになります。
ストーリー
「先週直したはずのバグが、今日の版でまた出ています」。調べてみると、修正前の古いファイルから新しい版が作られていました。どのファイルの、どの版が、いまの製品を構成しているのか。それを常に言えるようにする仕組みが構成管理です。
構成管理:全体の構成を識別する
ソフトウェア構成管理では、ソフトウェア全体がどのようなソフトウェア構成品目の組み合わせでできているかという構成識別体系を確立し、その管理の方法を構成管理計画として明らかにしたうえで管理します。開発から保守までのライフサイクル(SLCP)を通じて、構成は変わり続けるため、管理も続きます。
使っている部品の一覧表であるSBOM(Software Bill of Materials)は、構成管理の現代的な道具です。セキュリティのレッスンで学んだとおり、部品の脆弱性が見つかったときに「自分たちは影響を受けるのか」を即座に調べられます。
変更管理:変更の歴史を記録する
構成状況の記録
基準になっているソフトウェア構成品目について、状況や履歴を管理し文書化します。プロジェクトにおける変更回数、最新のバージョン、移行状況などを記録することで、冒頭のような「どの版から作ったのか分からない」事態を防ぎます。
完全性の保証
ソフトウェア構成品目には、2つの完全性が求められます。機能的な完全性は、要求された機能がそろっていて一貫性と正確性が保たれていることです。物理的な完全性は、コードと文書が対応し、そろっていることです。変更のたびにこの完全性を確かめます。
リリース管理及び出荷
完全性が保証された後は、ソフトウェアや関連文書の新しい版を出荷する手続を行います。これがリリース管理です。出荷後も、ソフトウェアのコードや文書はソフトウェアの寿命のある間、バージョン管理と保管期間の定めに従って保守し続けます。
例題
次の問いに答えてください。
問1 ソフトウェア全体がどのような構成品目の組み合わせでできているかを識別する体系を何といいますか。
問2 ソフトウェアに使われている部品の一覧表で、部品の脆弱性の影響調査にも使われるものは何ですか。
解答と解説
問1の答えは構成識別体系です。構成管理は、この体系を確立し、構成管理計画に基づいて管理することから始まります。
問2の答えはSBOM(Software Bill of Materials)です。食品の原材料表示のように、ソフトウェアの中身を部品単位で見えるようにします。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 構成管理・変更管理に関する記述のうち、適切なものはどれでしょうか。次の中から選んでください。
- 基準になっている構成品目の変更回数や最新バージョンなどの状況を記録し、文書化する
- 出荷が済んだソフトウェアのコードと文書は、保守の対象から外してよい
- 構成管理の対象はソースコードのみであり、関連文書は含めない
- 完全性の保証は、機能面の確認だけを行えばよい
解答と解説
答えは1です。構成状況の記録として、変更回数、最新のバージョン、移行状況などを管理し文書化します。2は誤りです。コードや文書はソフトウェアの寿命のある間、保守し続けます。3は誤りです。構成品目にはコードだけでなく関連文書も含まれ、コードと文書の対応も管理の対象です。4は誤りです。機能的な完全性に加えて、コードと文書がそろっているという物理的な完全性も保証する必要があります。
分からなかった点・気になった点
読み込み中です。