決算とは何か
一会計期間を締めて財務諸表を作るまでの決算の全体像を、試算表・決算整理・精算表・帳簿締切・財務諸表という流れでつかみます。
ねらい
毎日の取引を仕訳し、転記してきた1年分の記録は、期末にまとめて締めくくります。 このレッスンでは、この締めくくりの手続きである決算(けっさん)の全体像をつかみます。試算表から決算整理、精算表、帳簿の締切、そして財務諸表の作成へと進む流れを、地図のように頭に入れておきましょう。具体的な処理は、このあとのレッスンで一つずつ学びます。
ストーリー
文房具店の1年が、もうすぐ終わろうとしています。 1年のあいだ、お店は数えきれないほどの取引を仕訳し、総勘定元帳へ転記してきました。けれども、この記録をただ積み重ねただけでは、「この1年でいくらもうけたのか」「いま会社の財産はいくらあるのか」は、まだはっきり示せません。 そこで、期末に帳簿を整理し、1年の成績と期末の財産の状態を、決まった形の表にまとめます。この一連の手続きが決算です。決算を終えて初めて、損益計算書と貸借対照表という2つの財務諸表ができあがります。 決算は、いくつかの段階を順番に進めていきます。まずはその流れ全体を見ておきましょう。
決算の流れ
決算は、おおまかに次の順序で進みます。それぞれの段階を、このあとのレッスンで詳しく学びます。
| 順序 | 手続き | 何をするか |
|---|---|---|
| 1 | 試算表の作成 | 期末の各勘定の残高を集めて、記録の正しさを確かめる |
| 2 | 決算整理 | 帳簿を正しい金額に直すための仕訳(決算整理仕訳)を行う |
| 3 | 精算表の作成 | 試算表から決算整理を経て財務諸表へ至る流れを1枚の表にまとめる |
| 4 | 帳簿の締切 | 収益・費用を損益勘定へ振り替え、当期純利益を繰越利益剰余金へ振り替えて各勘定を締める |
| 5 | 財務諸表の作成 | 損益計算書と貸借対照表を作る |
ポイント
決算整理が決算の中心です。日々の記録だけでは正しい金額になっていない部分を、決算の時点で整える手続きです。
決算整理のイメージ
決算整理がどんなものか、ひとつだけ例を見ておきましょう。 たとえば、固定資産の価値の減少は、日々の取引では記録していません。そこで決算整理として、1年分の減価償却費を計上します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 60,000 | 備品減価償却累計額 | 60,000 |
このような決算整理を、売上原価の算定・貸倒れの見積り・減価償却・経過勘定などについて行います。それぞれの具体的な処理は、このあとのレッスンで順に学びます。ここでは、決算整理が「日々の記録を正しい金額に直す仕訳である」とイメージできれば十分です。
例題
決算の流れについて答えてみましょう。 「決算では、決算整理を行う前に、まず何を作って記録の正しさを確かめるか」
解答は次のとおりです。 決算整理に進む前に、まず試算表を作ります。試算表で、各勘定の借方と貸方の合計が一致するかを確かめ、記録に大きなずれがないことを点検します。
応用
決算整理が必要かどうかを考えてみましょう。 「次のうち、決算整理として処理するものはどれか。ア 商品を現金で仕入れた イ 固定資産の1年分の減価償却費を計上した ウ 売掛金を現金で回収した」
解答は次のとおりです。 答えはイです。 アの仕入とウの回収は、取引が起きたその日に仕訳する、日々の処理です。一方、イの減価償却は、日々の取引としては記録されず、決算の時点で1年分をまとめて計上します。こうした、期末に帳簿を正しい金額へ直す処理が決算整理です。
確認問題
決算の流れについて答えてみましょう。解答はそのすぐ後に示します。
問1. 決算で、収益・費用を集めて当期純利益を計算する勘定を何というか。
解答1. 損益勘定です。収益と費用を損益勘定へ振り替えて、当期純利益を計算します。
問2. 決算を終えて作成される、2つの財務諸表の名前を答えなさい。
解答2. 損益計算書と貸借対照表です。損益計算書は1年の経営成績を、貸借対照表は期末の財産の状態を示します。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 翌期首に貯蔵品(収入印紙)を費用へ再振替するときの仕訳解く
- 翌期首に貯蔵品(郵便切手)を費用へ再振替するときの仕訳解く
- 翌期首に貯蔵品(収入印紙と郵便切手の両方)を費用へ再振替するときの仕訳解く
- 決算整理後残高試算表の作成解く
- 精算表の作成解く