メモリと記憶装置
主記憶と補助記憶の役割の違いをつかみ、速さと容量と価格が釣り合う形で記憶装置が階層になっている理由を説明できるようになります。
ねらい
コンピュータがデータを覚えておくしくみを学びます。このレッスンを終えると、主記憶と補助記憶の使い分けを説明でき、記憶装置が階層になっている理由が分かるようになります。
覚える場所は、2種類あります
- 主記憶(メインメモリ)… CPUが直接読み書きする場所。速いが、電源を切ると消えます。
- 補助記憶(ストレージ)… SSDやハードディスク。電源を切っても消えませんが、主記憶より遅いです。
いま作業中のデータは主記憶に、保存したデータは補助記憶に置きます。文書を書いている最中の内容は主記憶にあり、保存の操作をして初めて補助記憶へ書き込まれます。保存しないうちに電源が落ちると消えるのは、このためです。
消えるメモリと、消えないメモリ
| 種類 | 電源を切ると | 使いどころ |
|---|---|---|
| RAM | 消える(揮発性) | 主記憶。読み書きの両方をする |
| ROM | 消えない(不揮発性) | 機器の起動に必要なプログラムなど |
RAMには2種類あります。DRAMは容量を大きくしやすく主記憶に使われ、SRAMは高速でキャッシュメモリに使われます。
なぜ階層になっているのか
記憶装置は、速い順に階層をなしています。
| 階層 | 速さ | 容量 | 価格 |
|---|---|---|---|
| レジスタ(CPU内) | 最も速い | 最も小さい | 最も高い |
| キャッシュメモリ | 速い | 小さい | 高い |
| 主記憶 | 中くらい | 中くらい | 中くらい |
| 補助記憶 | 遅い | 大きい | 安い |
なぜ全部を最速にしないのかというと、費用が見合わないからです。速い記憶装置は高価なので、よく使うものだけを速い場所に置き、残りは安い場所に置きます。
キャッシュメモリは、CPUと主記憶の間に置かれる小容量で高速なメモリです。一度読んだデータを覚えておき、次に同じものを求められたら主記憶を待たずに返します。
ポイント
キャッシュが効くのは、同じデータが繰り返し使われるからです。プログラムは同じ場所を何度も読む傾向があるため、小さなキャッシュでも大きな効果が出ます。まったくばらばらのデータを読み続ける処理では効きません。
主記憶が足りないとどうなるか
主記憶が足りなくなると、当面使わないデータを補助記憶へ一時的に退避させます。これを仮想記憶といい、退避のやり取りをスワッピングといいます。
補助記憶は主記憶よりずっと遅いので、これが頻繁に起きると動作が急に重くなります。「メモリを増やしたら快適になった」という体感は、この退避が減ったことによります。
補助記憶の種類
- SSD… 半導体を使う記憶装置。動く部品が無いため速く、衝撃に強い。
- ハードディスク… 円盤を回して読み書きします。容量あたりの価格が安い。
- 光ディスク… CD、DVD、Blu-ray。配布や長期保管に使われます。
- USBメモリ・SDカード… 持ち運びに使われます。
まとめ
主記憶は速いが電源を切ると消え、補助記憶は遅いが消えません。記憶装置はレジスタ・キャッシュ・主記憶・補助記憶の階層をなし、上ほど速く小さく高価です。速いものは高いので、よく使うものだけを上に置きます。主記憶が足りないと補助記憶への退避が起き、動作が重くなります。
理解の確認
作業中の文書を保存しないままパソコンの電源が落ち、内容が失われました。なぜ失われたのかを、記憶装置の性質から説明してください。
答え: 作業中のデータは、電源を切ると消える主記憶(RAM)にあったからです。文書を編集している間、その内容はCPUが直接読み書きできる主記憶に置かれています。主記憶は速い代わりに揮発性で、電力の供給が止まると内容が保持されません。保存の操作を行うと、内容が電源を切っても消えない補助記憶(SSDやハードディスク)へ書き込まれます。保存前に電源が落ちた場合、補助記憶にはまだ書き込まれていないため、主記憶にあった内容だけが失われることになります。
分からなかった点・気になった点
読み込み中です。