労働関連法規と取引関連法規
働き方を定める法律と、取引の形を定める法律を区別し、請負と派遣の違いを契約と指揮命令の関係から判断できるようになります。
ねらい
人を働かせる場面と、仕事を外に出す場面の決まりを学びます。このレッスンを終えると、請負と派遣の違いを指揮命令の関係から見分け、中小受託取引適正化法や契約の種類を説明できるようになります。
働き方を定める法律
| 法律 | 何を定めるか |
|---|---|
| 労働基準法 | 労働時間・休日・賃金など、働く条件の最低ライン |
| 労働者派遣法 | 派遣という働き方の決まり。派遣先が指揮命令できる範囲 |
| 労働安全衛生法 | 職場の安全と健康を守る措置 |
| 男女雇用機会均等法 | 募集・採用・配置・昇進での性別による差別の禁止 |
働き方の制度も問われます。裁量労働制は実際の労働時間ではなくみなしの時間で計算する制度、フレックスタイム制は始業と終業の時刻を働く人が決める制度、変形労働時間制は期間内で労働時間を配分する制度です。
請負と派遣の違い
ITパスポートで繰り返し問われるのが、請負と派遣の違いです。見分ける鍵は誰が指揮命令するかです。
| 形 | 指揮命令する人 | 何に対して払うか |
|---|---|---|
| 請負契約 | 受注者の側(発注者は命令できない) | 仕事の完成 |
| 準委任契約 | 受注者の側 | 仕事の遂行(完成の義務は負わない) |
| 労働者派遣契約 | 派遣先 | 労働時間 |
ポイント
請負なのに発注者が現場へ直接指示を出すと、偽装請負になります。契約の名前ではなく、実際に誰が指揮命令しているかで判断されます。
取引を定める法律
- 中小受託取引適正化法(取適法・旧称は下請法)… 委託事業者が中小受託事業者に対して、支払いを遅らせる・代金を不当に減らすなどの行為を禁じる。
- 独占禁止法… 公正な競争を妨げる行為(カルテル・不当廉売など)を禁じる。
- 特定商取引法… 訪問販売や通信販売などで、消費者を守る決まりを定める。
- 製造物責任法(PL法)… 製品の欠陥で損害が生じたとき、製造業者が責任を負う。
契約の成立と証拠も押さえます。電子署名法により、一定の要件を満たす電子署名は手書きの署名や押印と同じ効力を持ちます。
守秘と競業
- NDA(秘密保持契約)… 知った情報を外へ出さないことを約束する契約。取引の入口で結びます。
- 就業規則… 会社が定める働き方の決まり。一定規模以上の会社は作成と届出の義務があります。
まとめ
労働関連法規は働く条件を、取引関連法規は事業者どうしの公正さを守ります。請負と派遣は、指揮命令が誰にあるかで分かれます。契約書の名前だけでは決まりません。
分からなかった点・気になった点
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