標準化
JISやISOなどの標準と標準化団体、デファクトスタンダードとデジュレスタンダードの違い、文字コードやバーコードのデータ標準、国際認証の枠組みを理解できるようになります。
ねらい
科目Aの最後は、社会の共通ルールである標準を学びます。このレッスンを終えると、代表的な標準と標準化団体、標準の決まり方の2つの型、データの標準、認証の枠組みを説明できるようになります。
ストーリー
もし国ごと、会社ごとにネジの規格やコンセントの形がバラバラだったら、モノもデータもつながりません。世界中の製品が組み合わさって動くのは、共通の「決めごと」があるからです。標準化は、社会をなめらかにつなぐ縁の下の仕組みです。
標準・規格と標準化団体
標準には、国や国際的な機関が定めた代表的なものがあります。
| 標準 | 制定 |
|---|---|
| JIS(日本産業規格) | JISCの答申を受けて主務大臣が制定する日本の標準 |
| IS(国際規格) | ISO(国際標準化機構)が制定する世界の標準 |
JISには、情報処理を扱うJIS X部門、管理システムを扱うJIS Q部門などの区分があります。ISOは、電気・電子技術分野を除く工業製品の国際標準を策定する、各国の標準化機関からなる組織です。
このほかの標準化団体も押さえましょう。ITU(国際電気通信連合)は通信、IEC(国際電気標準会議)は電気・電子分野を扱います。IETFはインターネット技術の標準、IEEE(電気電子学会)はLANなどの技術標準、W3CはWebの標準を定めます。米国の規格協会はANSIです。
標準の決まり方:デジュレとデファクト
標準の決まり方には2つの型があります。
- デジュレスタンダードは、標準化機関が正式な手続を経て定める「公的な標準」です。JISやISOがこれにあたります。
- デファクトスタンダードは、市場で広く使われた結果として「事実上の標準」になったものです。特定の製品や規格が普及して標準の座を得ます。
複数の企業が集まって決めるフォーラム標準も、標準の作られ方の1つです。「正式な手続で決めるのがデジュレ、市場での普及で決まるのがデファクト」と対比して覚えましょう。
開発・ソフトウェア・データの標準
開発と取引の標準として、ソフトウェアの開発・取引の各工程の作業や役割分担を定めたSLCP-JCF(共通フレーム)があります。評価の標準としては、環境マネジメントのISO 14000(JIS Q 14001)、ITセキュリティ評価のISO/IEC 15408があります。オブジェクト指向のソフトウェアの標準には、CORBAやEJBがあります。
データの標準も重要です。文字を数値で表す文字コードには、日本語のJISコードや、世界中の文字を統一的に扱うUnicodeがあります。商品などを表すバーコードには、商品識別のJANコード、物流で使うITFコード、書籍のISBNコード、二次元コードのQRコードがあります。
国際認証の枠組み
製品やシステムが標準を満たしていることを確かめる仕組みが、国際認証の枠組みです。標準に適合しているかを評価することを適合性評価と呼び、それを担う適合性評価機関があります。評価の信頼性は、認証を行う認証機関、試験を行う試験機関、そしてこれらの機関の能力を認める認定機関という役割分担で支えられます。
例題
次の問いに答えてください。
問1 標準化機関による正式な手続を経て制定された標準を何といいますか。
問2 世界中の多様な文字を統一的に扱えるように定められた文字コードの標準を何といいますか。
解答と解説
問1の答えはデジュレスタンダードです。市場での普及によって事実上の標準となるデファクトスタンダードと対になる考え方です。
問2の答えはUnicodeです。多言語の文字を1つの体系で扱えるようにした文字コードです。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 標準化に関する説明のうち、デファクトスタンダードに当てはまるものはどれでしょうか。次の中から選んでください。
- 市場での競争や普及の結果、事実上の標準として広く使われるようになった規格
- ISOが正式な手続を経て制定した国際規格
- JISCの答申を受けて主務大臣が制定する日本の標準
- IETFがインターネット技術について定める標準
解答と解説
答えは1です。デファクトスタンダードは、公的な機関が定めたものではなく、市場で広く使われた結果として事実上の標準となった規格や製品を指します。2のISOの国際規格、3のJIS、4のIETFの標準は、いずれも標準化機関が正式な手続を経て定めるデジュレスタンダードにあたり、デファクトスタンダードではありません。
分からなかった点・気になった点
読み込み中です。