ネットワーク方式
LANとWANの違い、有線と無線のLAN、回線速度と転送時間の計算、IPアドレスやDNSなどのインターネット技術の基礎を理解できるようになります。
ねらい
ネットワークの全体像を学びます。このレッスンを終えると、LANとWANの区別、有線と無線のLANの構成要素、回線速度からの転送時間の計算、TCP/IPを核とするインターネット技術の基本用語を説明できるようになります。
ストーリー
会社の新しいオフィスでネットワークを用意することになりました。フロアの中はLANでつなぎ、本社との間は通信事業者の回線を借りてWANでつなぐ。インターネットへの出口はISPと契約する。そして上司からの質問は決まってこれです。「この回線で、あのファイルは何秒で送れるの?」。答えられるようになりましょう。
LANとWAN
限られた構内のネットワークがLAN、離れた拠点を結ぶ広域のネットワークがWANです。WANは自前では作れないため、電気通信事業者が提供するサービスや、インターネットサービスプロバイダ(ISP)のインターネット接続サービスを利用します。料金には使った分だけ払う従量制と月額固定料金があります。配線の中継点にはIDFという配線盤が使われ、通信網には後述のパケット交換網と回線交換網があります。多数のセンサーをつなぐセンサーネットワークも広がっています。
同じオフィスのLANから、本社へは通信事業者の回線を使ったWANでつながり、外のインターネットへはISPを通じてつながります。行き先が違えば、間に入る仕組みも違うということです。
有線LANと無線LAN
有線LANのケーブルには、同軸ケーブル、電線を2本ずつねじったより対線、光で伝える光ファイバケーブルがあります。現在の主流はより対線と、高速な基幹部分の光ファイバです。
無線LANは、電波(用途によっては赤外線)で通信します。端末は無線LANアクセスポイントに接続し、接続先のネットワークはSSIDという識別名で見分けます。
交換方式
回線交換は、通話の間ずっと1本の通信路を占有する方式です。パケット交換は、データをパケットという小包に分けて送り、回線を皆で共有する方式です。インターネットはパケット交換で動いており、音声さえもパケットで運ぶVoIPというIP電話の技術が使われています。
回線に関する計算
回線速度はbps(ビット/秒)で表します。ファイルの大きさはバイトで表されることが多いため、8ビットで1バイトという換算が計算の鍵になります。また、回線は常に100%使えるわけではないため、実際に使える割合である回線利用率を掛けて実効速度を求めます。
たとえば100Mビット/秒の回線を利用率50%で使うとき、100Mバイトのファイルの転送時間を求めてみます。100Mバイトは800Mビット、実効速度は100Mビット/秒かける0.5で50Mビット/秒なので、800を50で割って16秒です。
転送時間の計算は、上下2本の流れが1つに合流する形で覚えると迷いません。ファイルサイズは8を掛けてビットにそろえ、回線速度は利用率を掛けて実効速度にそろえてから、ビット数を実効速度で割ります。
このほか、回線の品質を表すビット誤り率や、電話のトラフィック量を表す呼量とその単位アーランという用語があります。
インターネット技術の基礎
インターネットはTCP/IPというプロトコルの集まりを核として動いています。サーバ、クライアント、ルータなどのホストにはIPアドレスが与えられ、これを基盤に通信します。
- IPアドレスには、現在主流の32ビットのIPv4と、枯渇に備えた128ビットのIPv6があります。IPv4にはアドレスクラスという区分があります。
- インターネット上で一意なグローバルIPアドレスと、組織内だけで使うプライベートIPアドレスを区別し、両者を変換する仕組みがNAT(ネットワークアドレス変換)です。
- 人間が覚えやすいドメイン名(末尾の区分はTLD)とIPアドレスを対応付ける仕組みがDNSです。
- パケットが宛先まで届く道筋はルータが中継して決めます。これをルーティングといいます。
このほか、通信の品質を保証する仕組みのQoS、ネットワークの出入口で通信を検査するファイアウォール、接続時の利用者認証を担うRADIUS、物理的な網の上に仮想的な網を重ねるオーバーレイネットワークという用語も押さえておきましょう。
例題
次の問いに答えてください。
問1 10Mビット/秒の回線を利用率100%で使えるとき、50Mバイトのファイルの転送にかかる時間はおよそ何秒ですか。
問2 プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換する仕組みを何といいますか。
解答と解説
問1の答えはおよそ40秒です。50Mバイトは400Mビットで、これを10Mビット/秒で割ると40秒になります。バイトからビットへの換算を忘れると5秒と誤答してしまいます。
問2の答えはNAT(ネットワークアドレス変換)です。家庭や社内ではプライベートIPアドレスを使い、インターネットへ出るときにNATでグローバルIPアドレスへ変換します。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 回線速度が100Mビット/秒、回線利用率が50%の回線で、100Mバイトのファイルを転送するのにかかる時間はおよそ何秒でしょうか。次の中から選んでください。
- 2秒
- 8秒
- 16秒
- 32秒
解答と解説
答えは3の16秒です。100Mバイトは8ビットで1バイトの換算で800Mビットです。実効速度は100Mビット/秒かける利用率0.5で50Mビット/秒なので、800を50で割って16秒になります。1の2秒は、バイトからビットへの換算を忘れて100Mビットを50Mビット/秒で割った誤りです。2の8秒は、換算はできたものの回線利用率を掛け忘れて800Mビットを100Mビット/秒で割った誤りです。4の32秒は、利用率を二重に適用するなどして実効速度を25Mビット/秒としてしまった誤りです。ビット換算と利用率の2つをそれぞれ1回ずつ正しく適用することが計算の勘所です。
分からなかった点・気になった点
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