マルチメディア応用
光と色の3原色、解像度とdpi、ペイント系とドロー系のソフトウェア、AR・VR・メタバースなどのマルチメディア応用を理解できるようになります。
ねらい
グラフィックスと映像の応用技術を学びます。このレッスンを終えると、光の3原色と色の3原色の違い、画像の品質を決める解像度、グラフィックスソフトウェアの2つの系統、ARやVRなどの応用例を説明できるようになります。
ストーリー
画面ではあざやかだったポスターの色が、印刷したらくすんで見える。デザインの現場でよくある悩みです。原因は、画面と印刷で色の作り方がまったく違うことにあります。画面は光を重ねて明るくなり、印刷はインクを重ねて暗くなる。この正反対の仕組みから、グラフィックスの世界を見ていきましょう。
色の表現:光とインクの2つの世界
光の3原色と色の3原色
ディスプレイは、Red、Green、Blueの光の3原色を重ねて色を作ります。光は重ねるほど明るくなり、3つをすべて重ねると白になります。これを加法混色といいます。
印刷は、Cyan、Magenta、Yellowの色の3原色のインクを重ねて色を作ります。インクは重ねるほど暗くなり、3つを重ねると黒に近づきます。これを減法混色といいます。冒頭のポスターの悩みは、加法混色で作った色を減法混色で再現しようとするときの差から生まれます。
色の性質は、色合いを表す色相、明るさを表す明度、あざやかさを表す彩度で捉えます。明るい部分と暗い部分の差はコントラストといいます。
画像の品質
デジタル画像は画素(ピクセル)の集まりで、画像のきめ細かさを解像度といいます。単位には、1インチあたりの点の数を表すdpiと、1インチあたりの画素数を表すppiがあります。値が大きいほどきめ細かく、印刷には画面表示より高い解像度が必要になります。
グラフィックスソフトウェア
画像を編集するソフトウェアには、前のレッスンで学んだ2つのデータ形式に対応する2つの系統があります。
- ペイント系は、ラスター形式の画像を画素単位で描き、編集します。写真の加工に向きます。
- ドロー系は、ベクター形式の図形を数式として描き、編集します。ロゴやイラスト、図面に向きます。
編集では、画像を透明なシートのように重ねて別々に扱うレイヤーや、必要な部分だけを切り出すトリミングという操作が基本になります。
マルチメディアの応用
コンピュータで画像を生成する技術がCGで、設計の分野では図面をコンピュータで作成するCADが使われます。訓練用のシミュレーターやテレビゲームも、CGの代表的な応用です。
現実と仮想を組み合わせるXR
現実と仮想の組み合わせ方によって、いくつかの技術が区別されます。これらを総称してXR(クロスリアリティ)と呼びます。
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| VR(仮想現実) | コンピュータが作った仮想空間に没入する |
| AR(拡張現実) | 現実の風景に、コンピューターが生成した情報を重ねて表示する |
| MR(複合現実) | 現実と仮想を融合させ、仮想の物体を現実にあるかのように操作できる |
| メタバース | 多数の利用者が集うインターネット上の仮想共有空間 |
映像の応用
利用者が見たいときに映像を呼び出せるビデオオンデマンド、インターネット放送、撮影後の映像を任意の順で編集できるノンリニア画像編集システムが普及しています。立体視を実現する3次元映像や、光の干渉で立体像を映すホログラム、人の動きをデータとして取り込むモーションキャプチャ、少ないスピーカーで立体的な音場を作るバーチャルサラウンドといった技術もあります。
例題
次の問いに答えてください。
問1 光の3原色をすべて重ねたときにできる色は何色ですか。
問2 人の身体の動きをセンサーやカメラで捉えて、データとして取り込む技術を何といいますか。
解答と解説
問1の答えは白です。光の3原色は重ねるほど明るくなる加法混色です。インクの色の3原色は逆に、重ねるほど暗くなる減法混色で、3つを重ねると黒に近づきます。
問2の答えはモーションキャプチャです。取り込んだ動きはCGのキャラクターの動作などに使われ、ゲームや映画の制作を支えています。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 現実の風景に、コンピュータで生成した情報を重ねて表示する技術はどれでしょうか。次の中から選んでください。
- AR
- VR
- メタバース
- ホログラム
解答と解説
答えは1のAR(拡張現実)です。スマートフォンのカメラ越しの街並みに道案内を重ねる、といった使い方が代表例で、現実が主役のまま情報が加わる点が特徴です。2のVR(仮想現実)は、現実ではなくコンピュータが作った仮想空間そのものに没入する技術です。3のメタバースは多数の利用者が集うインターネット上の仮想共有空間のことで、現実の風景に情報を重ねる表示技術ではありません。4のホログラムは光の干渉を利用して立体像を映す技術であり、現実の風景への情報の重ね合わせを指す用語ではありません。
分からなかった点・気になった点
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