産業機器
M2MやスマートファクトリーとMaaS、産業用ロボットやドローンなどの産業機器、CASEや自動運転レベルといった自動車制御システムの動向を理解できるようになります。
ねらい
産業の現場で働くコンピュータを学びます。このレッスンを終えると、産業機器の特徴と動向、代表的な機器の例、自動車制御システムの動向を説明できるようになります。
ストーリー
夜の工場で、人のいないラインが淡々と製品を作り続けています。機械どうしが直接通信して段取りを整え、異常があれば自ら停止して知らせます。人は現場からいなくなったのではなく、監視と判断という役割に移りました。省力化と無人化は、産業機器の進化の中心テーマです。
産業機器の特徴と動向
幅広い産業用の製品にコンピュータが組み込まれ、組込みシステムによる細かな分析、計測、制御が実現されています。近年の動向は、省力化、無人化、ネットワーク化、インタラクティブ性の高まりです。
キーワードを整理しましょう。
- M2M(Machine to Machine)は、機械どうしが人を介さずに直接通信して連携する仕組みです。人が間に入って指示を伝える従来の通信と対比すると、機械と機械が直接つながる点が分かりやすくなります。
- スマートファクトリーは、IoTやAIで工場全体を最適化する取組です。
- スマートシティやスーパーシティは、都市の機能をITで高度化する構想です。スマート農業のように分野別の展開もあります。
- MaaS(Mobility as a Service)は、電車・バス・タクシーなどの移動手段を1つのサービスとして統合し、検索・予約・決済までを一体で提供する考え方です。
産業機器の例
産業機器には、ルータなどの通信設備機器、船舶などの運輸機器、薬物検知などを行う分析機器・計測機器、空調などの設備機器があります。
| 分類 | 例 |
|---|---|
| ロボット | 産業用、医療用、介護用、災害対応用 |
| 無人機・自動化設備 | ドローン、自動倉庫、自動販売機 |
| 金融・医療 | ATM(現金自動預払機)、医療機器、患者モニタリング装置 |
いずれも組込みシステムが中核にあり、リアルタイム制御やネットワーク接続を前提に動いています。
自動車制御システム
自動車は「走るコンピュータ」と呼ばれるほど組込みシステムの塊になりました。業界の変革の方向を表すキーワードがCASEです。
- Connected(コネクテッド)は、ネットワークにつながるコネクテッドカーを指します。
- Autonomous(自動運転)は、人の運転操作を機械が代替することです。自動運転には、運転支援から完全自動運転までの自動運転レベルが定義されています。
- Shared & Services(シェアリングとサービス)は、所有からサービスとしての利用への転換です。
- Electric(電動化)は、電気自動車への移行です。
CASEの4要素は、自動車という1台の製品を中心に、それぞれ別の方向へ広がる変革だとまとめられます。
例題
次の問いに答えてください。
問1 機械どうしが人を介さずに直接通信し、データ交換や制御を行う仕組みを何といいますか。
問2 電車やバス、タクシーなどの移動手段を統合し、検索から予約・決済までを1つのサービスとして提供する考え方を何といいますか。
解答と解説
問1の答えはM2M(Machine to Machine)です。IoTの基盤となる機械間通信です。
問2の答えはMaaS(Mobility as a Service)です。移動を「サービス」として捉え直す考え方です。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 自動車業界の変革の方向性を表すCASEの4つの要素の組合せとして、適切なものはどれでしょうか。次の中から選んでください。
- コネクテッド、自動運転、シェアリングとサービス、電動化
- コネクテッド、自動化、セキュリティ、エコロジー
- クラウド、AI、シェアリング、エッジ
- 通信、分析、標準化、効率化
解答と解説
答えは1です。CASEはConnected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリングとサービス)、Electric(電動化)の頭文字で、自動車業界の変革の4つの方向を表します。2はセキュリティとエコロジーが含まれる点が誤りで、SはSharedの、EはElectricの頭文字です。3と4は、いずれもCASEの頭文字と対応しない組合せです。
分からなかった点・気になった点
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