e-ビジネス
ECの取引形態(BtoB・BtoC・CtoC)、キャッシュレス決済やフィンテック、EDIの4つの規約、ロングテールやシェアリングエコノミーといったe-ビジネスの用語を理解できるようになります。
ねらい
インターネット上の商取引の仕組みを学びます。このレッスンを終えると、ECの取引形態と決済の仕組み、企業間のデータ交換であるEDIの規約、e-ビジネス特有のビジネスモデルを説明できるようになります。
ストーリー
実店舗しかなかった時代、地方の小さな出版社の本は、棚に置いてくれる書店がなければ読者に届きませんでした。今はオンラインモールに出品すれば、全国の読者が検索して買ってくれます。売れ筋ではない商品の小さな売上の積み重ねが、全体では大きな市場になる。e-ビジネスは商売の構造そのものを変えました。
EC(電子商取引)
EC(Electronic Commerce)は、インターネットを介して行う商取引です。電子受発注の仕組みには、オンラインモールやオンラインショッピング、公共調達で使われる電子入札があります。
取引の当事者による分類を押さえましょう。
| 形態 | 取引の当事者 | 例 |
|---|---|---|
| BtoB | 企業と企業 | 部品の電子調達 |
| BtoC | 企業と消費者 | オンラインショッピング |
| CtoC | 消費者と消費者 | フリマアプリ |
| DtoC | 製造者が直接消費者へ | メーカー直販サイト |
| GtoB/GtoC | 行政と企業/市民 | 電子入札、行政手続 |
オンラインとオフラインを結び付けるOtoO(Online to Offline)や、両者を融合させるOMO(Online Merges with Offline)、企業間の取引の場であるeマーケットプレイスも重要です。ビジネスモデルとしては、売れ筋以外の多品種の少量販売の合計が大きな売上になるロングテール、不特定多数に業務を委託するクラウドソーシング、デジタルデータに唯一性を持たせるNFT(Non-Fungible Token)があります。
電子決済とフィンテック
電子決済システムには、インターネットバンキング、電子資金移動(EFT)、スマートカードやICカード・RFID応用システムがあります。キャッシュレス決済は、スマートフォンのキャリア決済、非接触IC決済、QRコード決済など多様化しています。
金融とITの融合をフィンテック(FinTech)と呼びます。デジタル通貨には、電子マネー、ブロックチェーンなどを基盤とする暗号資産(仮想通貨)、中央銀行が発行するデジタル通貨であるCBDCがあります。電子商取引の安全のためには、口座情報を集約するアカウントアグリゲーションの管理、オンラインで本人確認を行うeKYC、マネーロンダリング・テロ資金供与対策のAML・CFTソリューションといった仕組みが使われます。
EDI:企業間のデータ交換
EDI(Electronic Data Interchange)は、取引情報を企業間で電子的に交換する仕組みです。Webブラウザで利用できるWeb-EDIも普及しています。多様な取引形態や複数の伝票フォーマットに対応するため、標準が定められています。
EDIの取決めは4つの規約に階層化されています。
- 情報伝達規約は、通信手順などデータをどう運ぶかの取決めです。
- 情報表現規約は、データの形式・コードなどどう表すかの取決めです。
- 業務運用規約は、業務の運用ルールの取決めです。
- 基本取引規約は、取引の法的な基本条件の取決めです。
4つの規約は、上にいくほど業務や法律に近い取決め、下にいくほど通信そのものに近い取決めという順に積み重なっています。
データ交換の標準には、JIS X 7011-1やJIS X 7012-1、製品モデルデータの交換標準であるSTEP、全国銀行協会手順、JCA(日本チェーンストア協会)手順、XMLを使うXML-EDI、財務情報のXBRLがあります。
ソーシャルメディア
消費者自身が情報を発信するメディアも、e-ビジネスの基盤です。SNS、電子掲示板、ブログ・ミニブログ、生活の記録であるライフログ、消費者が作るメディアの総称であるCGM(消費者生成メディア)があります。個人のデータを本人の同意の下で管理・提供する情報銀行や、モノや場所を共有するシェアリングエコノミーも、データと信頼を軸にした新しい経済の形です。
例題
次の問いに答えてください。
問1 フリマアプリのように、消費者どうしがインターネットを介して直接取引する形態を何といいますか。
問2 販売機会の少ない多品種の商品の売上を積み重ねることで、全体として大きな売上を得る考え方を何といいますか。
解答と解説
問1の答えはCtoC(Consumer to Consumer)です。企業対企業のBtoB、企業対消費者のBtoCと区別しましょう。
問2の答えはロングテールです。陳列棚の制約がないECだからこそ成り立つモデルです。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 EDIの規約のうち、メッセージの形式やデータのコードなど、交換する情報をどのように表現するかを定めるものはどれでしょうか。次の中から選んでください。
- 情報表現規約
- 情報伝達規約
- 業務運用規約
- 基本取引規約
解答と解説
答えは1の情報表現規約です。交換するデータの形式やコード体系という「表し方」を定めます。2の情報伝達規約は、通信手順など、データの「運び方」を定める規約です。3の業務運用規約は、業務をどう運用するかというルールの取決めです。4の基本取引規約は、取引の法的な基本条件を定める取決めであり、データの表現とは階層が異なります。
分からなかった点・気になった点
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